いよいよ映画化『刀剣乱舞』納得のクオリティに刀剣女子早くも歓喜
※画像は映画『刀剣乱舞』公式サイトより

 オンラインゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』が2019年に実写映画化することが7日、分かった。刀剣乱舞といえば、2015年にPC向けブラウザゲームとしてサービスを開始した直後から20代の女性を中心に人気を集めるゲームで、刀剣男士と呼ばれる擬人化されたイケメンの日本刀を集め、育成するといったゲームである。このゲームをきっかけとし、全国各地の神社や美術館に所蔵されている日本刀の鑑賞に訪れる女性が増え、2017年には「刀剣女子」という言葉が『ユーキャン新語・流行語大賞』にノミネートされたほど。またその人気は原作ゲームだけにとどまらず、現在では2本のアニメやミュージカル、舞台などさまざまにメディアミックスされている。

 そんな刀剣乱舞の実写映画化がついに発表された。通常、2次元作品であるアニメや漫画の実写化は、発表直後から「独自の世界観をしっかり表現できるか不安」「キャストがキャラクターに合っていない」「話題性のためだけに人気タレントを起用している」など、反対意見も多く見受けられるものである。

 実際、2017年に公開された『鋼の錬金術師』の実写映画版では、ネット上で「19世紀のヨーロッパをモチーフにした作品なのに、作中シーンが明らかに日本の町並みだ」「キャストがどう見ても日本人で似せる気がない」といったブーイングが飛び交っていた。このように、アニメやマンガの実写化は成功した例が少なく、筆者も制作サイドの原作への理解やリスペクトが足りないのでは、というように考える。

 しかし今回の刀剣乱舞の実写化は少し様子が違うようだ。まず、現時点で発表されたキャストの半数以上に、舞台版のキャストと同一の“2.5次元”俳優が名を連ねている。2.5次元とは、アニメや漫画、ゲームなどの2次元の作品を舞台化したもの。それを演じる2.5次元俳優は、舞台上では己を出さず、原作の世界観の中で、まるで画面から飛び出して来たかのようにキャラを演じきるため原作ファンからの信頼も厚い。

 6月からの次回公演より主人公の「三日月宗近」役を演じる鈴木拡樹(32)が今回の映画版でも三日月宗近として起用されたが、彼は今の2.5次元舞台界を牽引する俳優のひとり。人間離れしたアクションはまるで“付喪神”そのもの。その演技をスクリーンで見られることにまずファンからの喜びの声も大きかった。

 また、6月に行われる4作目(再演・特別公演を除く)まで、毎公演出演を果たしている主人公的立ち位置のキャラクター「山姥切国広」役に、さまざまな2.5次元舞台で人気キャラクターを演じる荒牧慶彦(28)、「薬研藤四郎」役の北村諒(27)、「へし切長谷部」役の和田雅成(26)、「不動行光」役の椎名鯛造(31)が続投。そして今回、「鶯丸」役として刀剣乱舞作品に初参加の廣瀬智紀(30)を迎える。彼も舞台を主としたキャリアが長く、舞台好き女子の間では安定の人気を誇っている。この人気若手俳優だらけのキャスティングからも、ただ事ではない担当者の本気度合いがうかがえる。

 監督は、映画館で作品上映前に流れる「NO MORE 映画泥棒」を作成した耶雲哉治氏(41)、脚本は「侍戦隊シンケンジャー」「仮面ライダーアマゾンズ」など特撮作品を多く手がける小林靖子氏(52)が担当する。舞台とは違う設定の、「新しい“本丸”での、全く新しい物語。」。今までにない刀剣乱舞の世界が見えるのではと期待の声が上がっている。

 そのことを表すかのように、実写化にともない新たに開設された映画刀剣乱舞のツイッターアカウントは、発表から24時間あまりでフォロワー数が5万を超えた。

 筆者がこの発表に際し何より喜ばしく思うのは、今や「日本一チケットが取れない2.5次元舞台」とも言われている舞台版の刀剣乱舞とは違い、映画ではほぼ確実に鑑賞ができる点だ。舞台版の刀剣乱舞はとにかくチケットが当たらない。推しの舞台は全通(註:全公演観劇すること)や、そうでなくても数回は観たいものだが、一般販売はもとより、各種先行抽選もとにかくチケットがとれない。違法ではあるが、転売サイトで公演チケットに、定価のおよそ10倍である10万円以上の値がついたこともあった。今まで2.5次元作品や若手俳優が気にはなるものの、舞台への観劇はハードルが高く敬遠されていた新規層にとっても、今回の映画化は作品をますます身近なものとするだろう。

 唯一の不安といえば、小林の脚本はどの作品もとにかくクオリティが高く面白いと太鼓判を押されてはいるものの、重要人物が劇中で死亡したり、登場人物に大きな絶望が降りかかるといった内容が多いことである。

 推しが刀剣破壊(註:作品における死のようなもの)してしまわないかだけが心配だ。

(オタク文化コラムニスト/椿みつこ)

※画像は映画『刀剣乱舞』公式サイトより

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