■『富士そば』が“禁じ手”の煮干しラーメンを!

 しかし、寿司屋ばかりが“本業外メニュー”に大マジなわけではない。立ち食いそば業界でいえば、『名代富士そば』のカツ丼はサイドメニューとして有名だが、その程度なら想定の範囲内。1年半前の15年秋、まさかの“禁じ手”を。「富士そばが、『煮干しラーメン』を始めたんです。店舗限定ながら、現在も継続中で、これがまた、出汁が効いていてウマいんですよ。あまりに好評のようで、取り扱い店舗も日ごとに増え続けています」(食品メーカーの開発担当)

 すすってみると、確かにウマい。これで450円とは驚きの仕上がりだ。「そもそも、富士そばは、パンチの強いメニューの開発がバツグンにウマい。息の長い人気メニューに『カレーかつ丼』があるんですが、これは普通のカツカレーとは違うもの。カツ丼のタレが、カレーのコクを深め、確かに『カレーかつ丼』と言うのに相応しい味わいなんですよ」(前同)

 むろん、他店も努力を重ねている。「富士そばに対抗してか、同業の『ゆで太郎』でも、昨年の冬から『中華そば』の販売がスタート。追加注文できるトッピングも充実しており、さらにはチャーシュー丼やカレーとのセットで、“本業外”を押しまくっています」(同)

 食べてみると……う~ん、正直、微妙。『ゆで太郎』は、そばがおいしいだけに残念。

■『松屋』や『吉野家』も健闘

 一方、牛丼チェーンも大健闘している。「今やスタンダードになったのが、『松屋』のカレー。毎年、春になると売り出される期間限定の『フレッシュトマトカレー』は見事のひと言ですよね。最近、『吉野家』が始めた『白カレー』も話題です。シチューのルウのみに見える地味な見た目ですが、スパイシーであっさりしていて、悪くはないです」(飲食店コンサルタント)

 松屋は『豆腐キムチチゲ膳』が冬の定番で鉄板。プレミアム牛肉をたっぷり使っていてウマい!

 最後にデザート。前述したスシロー、かっぱ寿司の他にも各社、奮闘中だ。「『すき家』の『クリーミーカフェぷりん』、ラーメンの『幸楽苑』の“サンデー”はその一例。デザート類は原価も安く、メーカー側も気軽に手を出しやすいんでしょうが、品質はまちまち。ある程度ちゃんとしないと、話題にもなりません」(食品メーカーの開発担当)

 ユーザーは厳しい。以上、ガチンコ採点でした~!

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