阪神大賞典はかなり堅い重賞。過去10年のこのレースにおいて全馬の単複を均等買いしていた場合、回収率は単40%・複52%となる。標準的な値は75~80%なので、それだけ穴が出ていないということになる。1番人気馬の成績も[5・2・2・1]で馬券に絡まなかったのは09年のオウケンブルースリだけ。一方で8番人気以下の馬は1頭も馬券に絡んでいない。

■人気のクリンチャーとアルバートをどう評価するか

 今回はクリンチャーとアルバートで人気を分け、3番人気以下は大きく引き離される形となりそうだ。この2頭は対照的な面があり、ステイヤーとしての資質は確かだが、臨戦パターンがよくないのがアルバート、臨戦パターンは悪くないが、本当にステイヤーなのかどうかまだ分からないのがクリンチャーというのが私の認識だ。

 菊花賞で2着しているクリンチャーをステイヤーでないと評するのには違和感があるかもしれないが、本質的なステイヤーが少ない時代の菊花賞では、中距離タイプが入着することもある。最近ではリアルスティールがその典型だろう。今回のメンバーなら地力は上位だし、大きく崩れることはないはず。京都実績もある。ただ、時計が速くなったり上がりだけでも速くなったりした場合には、多少不安が残る。

 アルバートはステイヤーズS3連覇。長距離が得意なことは間違いない。ただ、ステイヤーズSだとかダイヤモンドSは、阪神大賞典→天皇賞春という表街道に比べると裏街道のようなところがあり、前者で好走してきた馬が、後者で人気になるのは例年だと危険なパターンだ。とはいえ今年は阪神大賞典自身が裏街道的なメンバーになっており、大阪杯がG1化された影響がモロに出ている。そう考えると、この馬が勝っても不思議ではない。

 この2択は結局、結論が出ないのだが、武豊騎手に乗り替わった分、クリンチャーのほうが人気になりそう。ならば配当妙味追求であえて◎アルバート、○クリンチャーの順でいきたい。

■有馬記念の負け組に要注意

 これに続く存在というと、有馬記念の負け組だろう。▲レインボーラインは○と同じ菊花賞2着馬だが、こちらのほうが血統的に距離への裏づけがある。★サトノクロニクルは勝ちきるところまではともかく2、3着なら可能。あとは△ヤマカツライデンの逃げ残りに警戒。

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