春の天皇賞も近づいてきた。今週の日曜日はその前哨戦、阪神大賞典が行われる。ここ5年を振り返ると、ゴールドシップが3連覇したあと、一昨年がシュヴァルグラン。そして昨年はサトノダイヤモンドが勝って、シュヴァルグランは2着だった。リピーターが活躍するレースなのだが、今年は様相が違う。前2年の勝ち馬はどうやら出走を見送り、顔を合わせるのは2週先の大阪杯になりそうだ。昨年から大阪杯がG1に格上げされた影響なのだろう。

■G1菊花賞2着馬クリンチャーと有馬記念以来のサトノクロニクルに食指

 というわけで、今年は超大物の出走はなし。春天の2番手グループの戦いになりそうだが、馬券的にはかえって面白くなったか。2月の京都記念で重賞ウイナーの仲間入りをしたクリンチャー、初重賞が昨暮れのチャレンジCだったサトノクロニクルに、昨秋もG1戦で健闘が目立ったレインボーライン。さらにステイヤーズSを3連覇した東の長距離砲、アルバートも出走を予定している。

 どの馬を軸にすべきかが馬券の成否を握るが、候補1番手にはクリンチャーを挙げたい。昨秋の菊花賞で2着。当時が超のつく極悪馬場で、たぶんにフロック視されたが、京都記念はダービー馬レイデオロを差し切る価値ある勝利だ。陣営の周辺からは秋の凱旋門賞挑戦の噂も聞かれるほどで、評価は上がりに上がっている。そのせいなのか、今回から鞍上は武豊に乗り替わる。

 実際、馬体もパワーアップしている。京都記念の馬体重は4キロ増だったが、見た目にも大きくなり、筋肉量を増していた。それを如実に物語るのが坂路での調教。4F54秒台を切れなかった馬が、52秒7-1F12秒2と俊敏に動いたのが前走時の追い切りだった。レースも好位直後から、直線は馬群の中を割って差し切った。3歳時とは明らかに成長を見せているのだ。前走のあとは例によってプール調教を交えての調整。初時計は武豊がコンタクトを取った2月28日のCW。重賞連覇へ向け、着々と態勢を整えている。

 強敵はサトノクロニクル。有馬記念のあと一息入れたが、初時計が2月16日のCWと早い立ち上がり。これを含めてレース2週前時点で坂路3本、コース追い3本と仕上がりが進んでいるから怖さが増す。

■皐月賞TRのスプリングステークスはエポカドーロ

 同じ日曜日、中山では皐月賞TR、スプリングSが行われる。ステルヴィオ、ルーカスなど関東馬が優勢の中、関西馬で一発があるなら3戦2勝のエポカドーロ。2勝はともに逃げ切り。その先行力に警戒がいる。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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