梅宮辰夫「名言だらけのディナーショー」30針縫っても、麻酔が切れても「俺はやる!」の画像
梅宮辰夫「名言だらけのディナーショー」30針縫っても、麻酔が切れても「俺はやる!」の画像

 雑誌『週刊大衆』(双葉社)で、銀幕エッセイを連載中の梅宮辰夫さん(80)の、「生誕80年&芸能生活60年を祝う会」が3月15日、東京プリンスホテルで盛大に行われた。同連載の編集担当者が、この会の模様をレポートします!

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 まず、会場の東京プリンスホテル内に着いてビックリしたのが、届いているお花の豪華さ。渡哲也、高橋英樹、中尾彬、舘ひろし、神田正輝、みのもんた、石橋貴明、高田純次、松岡修造……と超有名タレントからのお祝いのスタンド花がズラリ! しょっぱなから圧倒されます。

 18時から始まった会には、梅宮さんを慕う千葉真一さん、美川憲一さん、錦野旦さん、出川哲朗さんほか、芸能関係者、ファンの方々、318人が参加されていました。

 梅宮さんの登場を今か今かと待つ中、司会の山田雅人さんから、「直前に梅宮さんが顔に大ケガを負われた」という衝撃の事実が告げられます。会場が大きくどよめく中、ご本人が登場! その顔には、右目を中心に大きな絆創膏が張られ、さらに茶色のサングラスを掛けられていました。

 梅宮さんは、開演前にホテルの玄関で転倒し、顔の右側を強打。多量の出血もあり、搬送された近くの総合病院で、目の上や頬、鼻などを30針縫う大ケガを負ったのです。その傷は動脈近くまで達していたといいます。関係者はパーティーを中止も頭によぎったそうですが、梅宮さんは病院から電話をかけ、「お客さまがいる限り、這ってでも行く」と伝えたとのこと。

 そんな梅宮さんは往年のヒット曲『ダイナマイトロック』を歌いながら登場し、「この顔を笑っておくれ。ぶざまな姿だけど勘弁してくれな。今日はオペラ座の怪人でいくよ!」と自虐的に盛り上げます。もちろん痛々しいですが、黒のスーツがバシッと決まったその姿はどこか海外のギャング……映画『レザボア・ドッグス』の出演者のようで、「かっこいい!」と思ってしまいました。

 続く歓談タイムには、本人公認の「梅宮辰夫体ものまね」でおなじみのお笑いトリオ『ロバート』の秋山竜次さんが、全力で辰兄ィTシャツものまねを披露し、会場は大爆笑。かつて梅宮さんに「やるんだったら中途半端じゃダメ。突きつめろ!」と言われたという秋山さん。「今後も全力で頑張ります」と誓っていました。

 その後の歌パートでは、スター錦野が登壇。「梅宮さん、140歳おめでとうございます」といきなりスターギャグをかましたのに続き、今年12月に古希を迎えるとは思えない軽快な身のこなしを見せてくれました。

 続く美川さんも、『さそり座の女』、『柳ヶ瀬ブルース』などヒット曲を披露。軽妙な美川節も交え、会場を盛り上げます。

 そして、ついに梅宮さんが登場! 「遅くまでおつきあいいただきましてありがとうございます。今日はみっともない格好で申し訳ありません」。梅宮さんが話しだすと、会場は一気に静かになります。続けて、「僕には代表作と言えるものがありません。そんな僕が最後まで生き残ってる。これでいいのかなあ……」。ググッと引き込まれます。

 歌が始まります。数時間前に30針縫った人とは思えない力強い歌声。『旅姿三人男』、『十九の春』、東映映画『夜遊びの帝王』の主題歌で、「10年前まで放送禁止だった(笑)」(梅宮さん)という“男のシンボル”を歌った曲『シンボルロック』、さらに、東映時代、梅宮さんが最初に仁義を切ったという鶴田浩二さんの娘・鶴田さやかさんとのデュエット曲『少し遠くて少し近くて』の計4曲を披露してくれました。

 特に印象的だったのは『シンボルロック』。攻めまくった男性自身の歌詞を、80歳とは思えない“現役感”プンプンの梅宮さんが、心から楽しそうに歌われていて、会場には大きな笑いが起きていました。

 ですが、実はこのとき、傷を縫う際にされた麻酔が切れていたといいます。本当は相当痛いのに、それを微塵も感じさせず、観客を楽しませようとする梅宮さんの、真のプロフェッショナルを見せていただきました。

 その後、千葉真一さん、カルーセル麻紀さんのお祝いの言葉に続き、出川さんからは「梅宮さんに言われた、“哲、出会った女は全員抱いちまいな”は一生忘れません」という感謝の言葉も飛び出していました。

 そして娘・アンナさんとのやりとりはまるで“親子漫才”です。

「お前、早く嫁に行けよ!」(梅宮さん)

「お言葉を返すようですが、子どもの頃から私の周囲には(お父さんの友人の)強烈な人しかいませんでした。そんな私に、普通の結婚をしろというのが厳しい」(アンナさん)

 大盛況のパーティーの最後に、梅宮さんはこう話してくれました。

「平成の今の時代、昭和の映画俳優は通用しないです。僕は今、無理に順応しようとも思わない。でも、昭和の映画俳優のプライドだけは持って生きたいと思います――」

 直前の事故でリハーサルなし。ぶっつけ本番で臨まれた梅宮さん。すべてをやり遂げられ、楽屋に戻られたときには、「なんとかやれたなあ」という達成感があったといいます。

 やっぱりカッコいい! これらも辰兄ィについていきます!! 週刊大衆に掲載されている、梅宮さんが語る“秘話しかない”連載、『番長「銀幕夢物語」』も、ぜひお読みください!

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