大和イチロウ「インスタントラーメンは職人芸が光る世界」麻美ゆまのあなたに会いたい!の画像
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 インスタントラーメンが大好きな方は必見です! 今週、私がお会いしたのは、インスタントラーメン専門店『やかん亭』グループ店主で、“麺クリエイター”として活躍中の大和イチロウさんです。大和さんの経営される『やかん亭』には、全国から集めたインスタントラーメンが常に300種類ほどズラリ。くぅ~。よだれが出ちゃいそう。お腹の虫も鳴る中、奥が深いインスタントラーメンの世界を教えてもらいました~!

■カロリーも高くなく、たんぱく質が豊富

ゆま「私、インスタントラーメンは大好きなんですけど、やっぱり女子なんでカロリーとか気になって、なかなか食べられないんですよね(泣)。“一日一麺”がモットーの大和さんが羨ましいです」

大和「アハハ。一日一麺どころか、一日二麺もザラです。それにインスタントラーメンは世間に思われているほど、カロリーも高くないんです。特に“袋麺”は種類にもよりますけど、一つあたり300~400キロカロリー程度。しかも、たんぱく質が豊富!」

ゆま「そうなんだ? 確かに大和さんは全然、太ってませんよね。じゃあ、もっと気軽に食べようかな!」

大和「はい。今日はゆまさんとお会いするので、16種類ほど僕がオススメのインスタントラーメンを持ってきました。ぜひ、食べてみてください」

ゆま「いただけるんですか? うれしい~! しかも、どれも初めて見るラーメンです。世の中に、インスタントラーメンって何種類ぐらいあるんですか?」

大和「いやあ、数えきれませんよ。JAS規格に登録されているものだけで1000種類以上あって、ご当地物のラーメンなどを入れると、現在も2000種類以上はあると思います。そもそもインスタントラーメンは、年間800種類は新商品が出ていますからね」

■メーカーの工場を見学して

ゆま「すごい! そんなにあるの? 大和さんはずっと、全国のインスタントラーメンを調査されているんですね?」

大和「はい。常に日本全国を旅して、その土地のスーパーやお土産屋さんなどでラーメンを発見したら必ず食べます。そして、おいしかったら、そのメーカーに連絡をして工場を見せてもらえないか、掛け合います」

ゆま「工場見学まで?」

大和「はい。僕の店では基本、工場を見せられないラーメンは取り扱わないようにしています。僕自身が製造過程まで知りたくて、半分、ストーカーみたいな感じなんです(笑)。それに、工場で公開できない製造過程があることは、そもそも食品としておかしい。信頼性がないと、やはり取り扱えないんです」

ゆま「今の話だけで本当に心の底からインスタントラーメンを愛されていることが分かります。でも、製造過程なんて、そんなに変わらないんじゃないですか?」

大和「そこが皆さん、よく誤解されているんです。インスタントラーメンって、めちゃくちゃ繊細なんです。たとえば、山形県にあるラーメン工場が10キロだけ引っ越しをしたんですね。すると、一気に味が変わったんです」

ゆま「え? どうして?」

大和「気候や風土が変わったからです。特に湿度が少しでも変化すると、乾燥麺は大きく影響を受けるんですね。たった10キロ、場所を変えるだけでダメになってしまうんです。しかも、それに、お客さんも気づいてしまった」

ゆま「つまり、インスタントラーメンは、それぞれ“地元の味”ということ?」

大和「その通りなんです。自前の味噌蔵を持っている麺メーカーもあって、そこは過去に一度、蔵を変えたところ、味が変わってしまったということで、元に戻しているんです」

ゆま「こだわりが強いんですね」

大和「はい。麺の太さも、そのラーメンに合うように計算し尽くされているんです。それこそ麺の太さが0.3ミリも変わったら、味が変わります。長い歴史を持つチキンラーメンも、昔とは少し味が変わっているんです」

ゆま「私、これからはインスタントラーメンを、もっと大事に味わいます!」

大和「アハハ。まあ、そうはいっても、我々消費者はそこまで深く考えず、手軽に食べられるインスタントラーメンを楽しめばいいと思うのですが……実際は職人芸が光る世界なんですよ」

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