●弁財天(べんざいてん)

 弁財天は、七福神の中で唯一の女神である。ルーツであるヒンドゥー教のサラスヴァティー神は、聖なる河の化身とされ、水をはじめ、芸術や言語、学問といった知をつかさどる神として知られている。また世界の創造主であり、宇宙の根源とされた最高神、ブラフマンを神格化した梵天(ぼんてん)の妃でもある。

 仏教に取り入れられると、天界に住んで仏教を守護する天部の一柱になった。中国に伝わる過程でサラスヴァティーが漢訳されて「弁才天」となったが、財宝神としての性格を持つようになると「才」と「財」がザイと同音であることから、弁財天と記されることが多くなった。

 神仏習合により、弁財天を宗像三女神の一柱、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)と同一視する信仰もある。宗像三女神は海上交通を守護する海の女神で、弁財天のルーツであるサラスヴァティー神が河の化身で水との関連性が強い上、ともに女神であることから、二柱は結びつけられて考えられるようになったといわれている。

 弁財天は、8本もしくは2本の手で武器や琵琶などの楽器を持った美しい天女の姿で知られている。

*弁財天のご利益
諸芸上達 学徳成就 福徳施与など

*弁財天にゆかりのある有名寺社

神奈川県 銭洗弁財天宇賀福神社(ぜにあらいべんざいてんうがふくじんじゃ)

本宮に市杵島姫命、奥宮に宇賀神の名を持つ弁財天がまつられている。境内の洞窟内にある湧き水で銭を洗うと、数倍になって戻ってくるという言い伝えで有名。

●布袋(ほてい)

 布袋は、唐の仏僧をモデルにした神様で、七福神の中では唯一実在したとされる人物である。契此(かいし)と名乗っていたが、布袋をかついで各地を放浪し、喜捨されたものは何でも布袋に放り込んだことから、布袋と呼ばれるようになった。人の運命や天気を予知し、生前から弥勒菩薩(みろくぼさつ)の化身といわれて尊ばれた。

 日本に布袋の話が伝わると、その円満で愛嬌のある風貌と性格で、絵画や詩文のモチーフとして人気が出た。布袋は、ほてい腹の由来である大きく丸々とした腹と、満面の笑みをたたえた顔、堪忍袋ともいわれる大きな布袋がトレードマークで、粗末な服をまとった半裸姿が一般的である。

*布袋のご利益

千客万来 家運隆盛 夫婦和合など

*布袋にゆかりのある有名寺社

京都府 萬福寺(まんぷくじ)

禅の黄檗宗(おうばくしゅう)大本山。建築や料理などが中国様式として知られている。天王殿に弥勒如来として布袋像を安置。

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