●寿老人(じゅろうじん)

 寿老人は、南極星の化身で南極老人と呼ばれる道教の神様である。中国の宗時代にいた伝説の人物を偶像化した存在ともいわれている。頭が長く白い口髭をたくわえた老人で、巻物をつけた杖と桃を持ち、鹿を連れた姿が一般的である。酒を好み、不死の霊薬を含んだ瓢箪を持っていることもある。杖についた巻物には人間の寿命が記されており、桃や鹿は長寿を象徴することから、寿命を司る長生きの神様とされている。福禄寿や白鬚明神(しらひげみょうじん)と同一視されることもある。

*寿老人のご利益

延命長寿 諸病平癒など

*寿老人にゆかりのある有名寺社

兵庫県 宝生寺(ほうしょうじ)

淡路島七福神霊場の一つで、寿老人をまつっている。境内にある『長寿橋』を渡ると10年長生きできるという言い伝えで有名。

●福禄寿(ふくろくじゅ)

 福禄寿は、寿老人と同じく南極星の化身とされる道教の神様である。中国において南極星は、現れれば天下が治まり、現れなければ乱が起こるとされ、古代からまつられてきた。福禄寿は、その名前が示す通り、幸福・俸禄・長寿の三徳を備えた存在とされている。この三徳は道教で強く望まれるため、中国ではすべてを兼ね備えた神様として非常に人気がある。短身で頭が長く、白い口髭をたくわえた老人で、巻物をつけた杖を持ち、鶴を連れた姿で知られている。寿老人と同一視されることもある。

*福禄寿のご利益

招徳人望 財運招福 健康長寿など

*福禄寿にゆかりのある有名寺社

京都府 赤山禅院(せきざんぜんいん)

平安時代の仁和4年(888年)に創建された、天台宗総本山 延暦寺の塔頭(たっちゅう/禅宗寺院の小院)のひとつ。本尊の赤山大明神は泰山府君(たいざんふくん)の名を持つ福禄寿。

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