■屠蘇散の中身と効能
お屠蘇は、漢方薬に使用される生薬が5~10種類ほど配合された「屠蘇散」(とそさん)、酒、みりんによって作られている。屠蘇散の代表的な生薬、およびその効能としては、以下のものが挙げられる。
●白朮(ビャクジュツ)
・キク科オケラ、もしくはオオバオケラの根
【効能】利尿、健胃、鎮静
●山椒(サンショウ)
・サンショウの実
【効能】健胃、抗菌
●赤小豆(セキショウズ、アカアズキ)
・アズキ
【効能】解熱
●桔梗(キキョウ)
・キキョウの根
【効能】鎮咳去痰(ちんがいきょたん)、鎮静
●陳皮(チンピ)
・ミカンの皮
【効能】風邪の症状緩和、吐き気防止
●肉桂皮(ニッケイヒ)
・ニッケイの樹脂、シナモン
【効能】健胃、発汗・解熱、鎮静・鎮痙(ちんけい)
●防風(ボウフウ)
・セリ科ボウフウの根
【効能】発汗・解熱、抗炎症
ただし、お屠蘇として飲まれる量はせいぜい盃に三杯程度とされており、食用の範囲内にとどまる。そのため、お屠蘇を飲むことによって屠蘇散に含まれている生薬の効能はほとんど期待できず、医療効果はないとされている。