●松竹梅の法則

 松竹梅の法則とは、三段階の価格帯に分かれた3つの選択肢があるとき、50%以上の人が真ん中を選ぶという人間心理のことを指す。行動経済学では「極端回避性」と呼ばれている。

 この法則は、高いほうがクオリティが高くて価値があるという無意識の刷り込みを前提としている。一番高い“松”には「贅沢すぎる、失敗したらときのリスクが怖い」などといった敬遠の心理が働き、一番安い“梅”には「周りの人に貧乏臭い、ケチだと思われそうだ」といった見栄の心理が働く。その結果として、消去法で真ん中の“竹”が選ばれるのである。

 松竹梅の法則を上手に利用する形で、あえて価格帯が異なる3つの商品を並べて提示し、一番売りたい真ん中の商品を買わせる手法をとる店も少なくない。後から冷静に思い返してみたら、実はまんまと踊らされていた、なんてことは珍しくないだろう。

 ちなみに選択肢が2つしかないときは、約70%の人が安いほうを選ぶ傾向がある。逆に4つ以上の選択肢があり、買っても買わなくてもどちらでもよいという状況の場合は、買わない可能性が最も高くなる。これは1つを選び出すのが面倒になってしまうせいで、行動経済学では「決定回避の法則」と呼ばれている。

■まとめ

 松竹梅の3植物が、めでたい席で喜ばれるようになった理由や、商品のランクを示すようになった経緯をお分かりいただけただろうか? 最近ではミニサイズの松竹梅を寄せ植えした盆栽なども登場している。慶事のシンボルだけに、手元に置いて心を込めて丹精すれば、運を呼び込むことができるかも!?

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