12月31日はなぜ「大晦日」なの!? 意味や由来、歴史を解説

 我々日本人にとって12月31日と言えば大晦日、大晦日と言えば12月31日である。あまりにも当たり前すぎて、ここまでスルーして過ごしてきた人が大半だと思うが、今回は改めて大晦日について調査してまとめてみた。

■昔は12月31日じゃなかった!?「大晦日」の意味と由来

●大晦日とは

 現在、「大晦日」(おおみそか)とは、1年の最後の日である12月31日のことである。大晦日は1年を締めくくる総決算の日であり、翌日の元旦を迎えるための正月準備を整え終えるべき日ということになる。「大晦」(おおつごもり)という別名もある。

●大晦日の意味と由来

 大晦日の意味と由来を考えるときは、漢字を分解してみると分かりやすい。大晦日から大を外した晦日(みそか)は、本来は月の30番目の日を意味する「三十日」と書き、三十路(みそじ)と同じように三十を「みそ」と読む。

 月の満ち欠けで暦を決定する旧暦では、1日を新月、15日を満月、月が完全に見えなくなる30日頃を末日とした。30日を表す漢字には、月が隠れることを意味する「月隠」(つきごもり)が転じた「晦」(つごもり)が使われるようになり、三十日が晦日と表記されるようになった。

 新暦では31日が最終日となる月もある。そのため、晦日は30日に限らず、29日であれ31日であれ、とにかく月の最終日を表す言葉になった。そして晦日の中でも、1年の総決算というべき12月31日は、特別感を出すために「大」をつけて「大晦日」や「大晦」と呼ぶようになったのである。

■神様を迎える準備の日!?「大晦日」の起源と歴史

●大晦日の起源と歴史

 大晦日の起源は平安時代までさかのぼる。当時の宮廷では、現在の節分やなまはげに似た「鬼やらい」という儀式が行われていた。元旦に降臨される歳神様をお迎えする準備として、鬼を追い払うのである。現在でも12月31日には、宮中や全国の神社で1年の罪やけがれをはらう「大祓い(おおはらい)」が行われている。

 歳神様は元旦に各家にやって来て、五穀豊穣と1年の幸せをもたらしてくれる日本古来の神様である。正月様や歳徳様とも呼ばれ、やって来る方角のことを恵方と言う。かつて、1日は夜から始まるとされていたため、大晦日の日没が新年の始まりだった。そのため、大晦日の夕方から夜にかけては、家族全員がそろって縁起物の食事やお雑煮などを食べながら歳神様の訪れを待つのが通例であった。

 また、眠らずに家の中で年越ししたり、家長が一家を代表して氏神の社に籠って新年を迎えることを「年取り」や「年籠り」と呼ぶ。禁を破って途中で寝てしまうと、白髪になったり、シワが増えたりといった天罰が下るという話が残っている。

■これが正解!?「大晦日」の正しい過ごし方

●大掃除

 大切な歳神様に気分良く過ごしてもらうために、家内の掃除は欠かせない。遅くとも大晦日までに大掃除を終わらせたい。特に「掃き納め」と呼ばれ、1年の最後に行う掃き掃除は、念入りに行おう。せっかく来てくれた歳神様を追い出してしまうことになるので、くれぐれも新年早々に掃除しないように。

●年の湯

 大晦日の夜に入るお風呂を「年の湯」と呼ぶ。昔は今ほど入浴する習慣がなかっため、ゆっくりと湯に浸かり、1年の垢や汚れをしっかり落とせる時間は貴重で贅沢だった。もちろん新年を迎えるにあたって体を清めるという意味がある。

●年越し蕎麦

 大晦日に食べるものと言えば、年越し蕎麦と答える人が多いだろう。この習慣は江戸時代に定着し、「つごもり蕎麦」「三十日ソバ」とも呼ばれるようになった。大晦日に蕎麦を食べる理由としては、下記のような意味がある、という説が挙げられる。

□蕎麦のように細く長く生きたい

□すぐ切れる蕎麦のように悪縁や災いを断ち切りたい

□植物としての蕎麦の生命力の強さにあやかりたい

□蕎麦を食べることで体内に溜まった毒素を流して健康になりたい

□かつて細工師がそば粉で金粉を集めたように金運を呼び寄せたい

□大晦日は忙しいから簡単に食事の準備したい

■今さら聞けない!?「大晦日」にまつわるアレコレ

●除夜の鐘

 本来の大晦日は歳神様をお迎えする準備の日であるため、神道由来の正月行事になる。しかし、除夜の鐘は仏教由来である。その辺りの宗教的な事情にこだわらない大らかさは、神仏習合がなされた日本人らしいところかもしれない。

 仏教では大晦日の夜のことを「除夜」と呼ぶ。「除」は古いものを捨て去り、新しいものを迎え入れることを意味するため、1年の節目の日となる大晦日を「除日」、大晦日の夜を「除夜」というのである。大晦日の夜から元旦にかけて、全国の寺では108回の「除夜の鐘」が打ち鳴らされる。108の根拠には3つの説がある。

(1)心をまどわせ、身を悩ませる人間の煩悩の数。六根と呼ばれる人間の意識の根幹、眼(げん/視覚)・耳(に/聴覚)・鼻(び/嗅覚)・舌(ぜつ/味覚)・身(しん/触覚)・意(い/意識)は、それぞれが好・悪・平という3つの状態、浄・染という2つの状態、前世・今世・来世という3つの時間軸を持っているとされる。そのため6×3×2×3=108という計算になる。鐘を突いた数だけ煩悩を取り除くことができると言われているが、最後の1回は新しい1年が煩悩に惑わされないよう、新年になってから突く寺が多い。

(2)4×9と8×9の答えを足した数。36+72=108という計算になる。百八つの鐘を突くと、四苦八苦から逃れることができるとされる。

(3)1年を表すために、12の月数と二十四節気、七十二候を足した数。12+24+72=108という計算になる。二十四節気と七十二候は、両方とも古代中国で考案された季節を表す方法である。

●初詣

 かつては大晦日と言えば、家や氏神の社で歳神様の来訪を待つ「年籠り」スタイルが一般的だったが、最近では自分から神様がいる場所に出向く「初詣」(はつもうで)を選択する人が多い。

 初詣とは、1年で初めて寺や神社に参詣することで、初参りとも言う。初詣はそれほど古い習慣ではなく、定着したのは明治中期である。氏神の社で過ごす「年籠り」とは異なり、参詣するのは神社でも寺でもよい。

 正月三が日や松の内に参拝することを初詣とするのが一般的だが、特に日にちや回数に関するルールや決まりごとがあるわけではない。除夜と元日の早朝の2回に分けて参詣に行く「二年参り」や、正月三が日で3社程度に参拝する「三社参り」を行う地域もある。

●数え年

 現在は生まれた年を0歳とし、誕生日が来るたびに1歳ずつ加齢する満年齢方式で年齢を表すのが一般的である。しかし、戦前までの日本では生まれた時点で1歳とし、生まれ月に関係なく、新年が来るたびに1歳ずつ加齢する数え年方式の方が標準だった。つまり元旦は、家族全員の誕生日となるため、豪華で縁起の良いお頭つきの魚などを使った「年取り料理」を食べて祝うのが習わしだった。

■「カウントダウンイベント」を楽しむ人が増加中!?

 ライフスタイルの多様化により、最近では大晦日にさまざまなイベントが開催されるようになった。一体感や特別感を味わうために、音楽を絡めた年越しライブイベントは多い。カウントダウンといえば、NYのタイムズスクエアを思い浮かべる人もいるかもしれない。新年までの時刻を秒読みし、新しい年を迎えた瞬間を大勢の人々と共有するのだ。日本でも同じような趣旨でイベント空間が作られているが、大晦日にふさわしいユニークな催しもある。

●『COUNTDOWN JAPAN』

 2003年から始まった年越し音楽フェスティバル。幕張メッセとJ-WAVEが主催し、ロッキング・オンが企画制作する。当初は12月29日から12月31日の3日間だったが、現在は12月28日から12月31日の4日間開催。2017-18は、欅坂46、私立恵比寿中学、ゲスの極み乙女。、サンボマスター、氣志團など、多彩なアーティストが集結した。

●『ユニバーサル・カウントダウン・パーティ』

 2001ー02から始まった、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのカウントダウンイベント。2017-18は、m-floやCYBERJAPAN DANCERSが出演。大晦日の19:00から元日の21:00まで、26時間アトラクションが乗り放題、何度でも出入り可能のチケットが発売された。

■これが定番!?「大晦日」に放送されるテレビ番組

 外出して楽しむ年越しイベントが増えてきたとはいえ、大晦日の夜はどこにも出かけず、コタツでテレビを見る派も決して少なくない。その結果、放送各局がしのぎを削る視聴率合戦が繰り広げられるのだ。

●『NHK紅白歌合戦』

 日本人なら誰でも知っている? 1951年から続く、赤組と白組に分かれて競い合う音楽番組。2017年の司会はウッチャンナンチャンの内村光良、嵐の二宮和也、有村架純が担当。安室奈美恵の出演など話題も多かったが、第1部の視聴率は35.8%、第2部が39.4%だった。

●『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』笑ってはいけないシリーズ(日本テレビ系)

 レギュラー放送の罰ゲーム企画として始まったが、2006年から、大晦日に放送するのが定番化。ダウンタウンの浜田雅功、松本人志、月亭方正、ココリコの遠藤章造、田中直樹がレギュラーで出演。毎回約16〜17%の視聴率を獲得している。

●『ジャニーズカウントダウン』(フジテレビ系)

 毎年23:45から0:45頃に放送される番組。1998年から放送が開始され、ジャニーズ事務所に所属するタレントが多数出演する。2017ー18年の司会はTOKIOの国分太一とV6の井ノ原快彦が担当した。

●『年忘れにっぽんの歌』(テレビ東京系)

 1968年から放送され、2017年で50周年を迎えた音楽番組。2017年の司会は德光和夫と竹下景子、中山秀征の3名。日本歌手協会会員歌手が一堂に集結するイベントでもあり、演歌歌手が多数出演する。かつては生放送だったが、2015年から事前収録されるようになった。

■まとめ

 イマドキの大晦日は、インドアでのんびりするも良し、アウトドアで盛り上がるのも良し、その過ごし方に多くの選択肢があることが分かった。しかし日本人としては、どんな形であれ、先祖と同じように歳神様への敬意を忘れないように過ごしたいものだ。

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