●初詣

 かつては大晦日と言えば、家や氏神の社で歳神様の来訪を待つ「年籠り」スタイルが一般的だったが、最近では自分から神様がいる場所に出向く「初詣」(はつもうで)を選択する人が多い。

 初詣とは、1年で初めて寺や神社に参詣することで、初参りとも言う。初詣はそれほど古い習慣ではなく、定着したのは明治中期である。氏神の社で過ごす「年籠り」とは異なり、参詣するのは神社でも寺でもよい。

 正月三が日や松の内に参拝することを初詣とするのが一般的だが、特に日にちや回数に関するルールや決まりごとがあるわけではない。除夜と元日の早朝の2回に分けて参詣に行く「二年参り」や、正月三が日で3社程度に参拝する「三社参り」を行う地域もある。

●数え年

 現在は生まれた年を0歳とし、誕生日が来るたびに1歳ずつ加齢する満年齢方式で年齢を表すのが一般的である。しかし、戦前までの日本では生まれた時点で1歳とし、生まれ月に関係なく、新年が来るたびに1歳ずつ加齢する数え年方式の方が標準だった。つまり元旦は、家族全員の誕生日となるため、豪華で縁起の良いお頭つきの魚などを使った「年取り料理」を食べて祝うのが習わしだった。

■「カウントダウンイベント」を楽しむ人が増加中!?

 ライフスタイルの多様化により、最近では大晦日にさまざまなイベントが開催されるようになった。一体感や特別感を味わうために、音楽を絡めた年越しライブイベントは多い。カウントダウンといえば、NYのタイムズスクエアを思い浮かべる人もいるかもしれない。新年までの時刻を秒読みし、新しい年を迎えた瞬間を大勢の人々と共有するのだ。日本でも同じような趣旨でイベント空間が作られているが、大晦日にふさわしいユニークな催しもある。

●『COUNTDOWN JAPAN』

 2003年から始まった年越し音楽フェスティバル。幕張メッセとJ-WAVEが主催し、ロッキング・オンが企画制作する。当初は12月29日から12月31日の3日間だったが、現在は12月28日から12月31日の4日間開催。2017-18は、欅坂46、私立恵比寿中学、ゲスの極み乙女。、サンボマスター、氣志團など、多彩なアーティストが集結した。

●『ユニバーサル・カウントダウン・パーティ』

 2001ー02から始まった、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのカウントダウンイベント。2017-18は、m-floやCYBERJAPAN DANCERSが出演。大晦日の19:00から元日の21:00まで、26時間アトラクションが乗り放題、何度でも出入り可能のチケットが発売された。

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