●戒名

 そして「戒名」。これは、故人が仏の弟子になったことの証としてつけられる名前で、やはり漢字二文字が選ばれる。どのような身分や立場にある人でも、必ず漢字二文字になり、仏の世界では誰もかれもが平等なのだということを表現しているともいわれる。

 そして、院号、道号、戒名、位号を併せて「戒名」と呼ばれてはいるものの、本当の意味では、仏の弟子としてつけられるこの二文字だけが戒名なのである。

●位号

 続いて戒名の下に置かれるのが「位号」。これは、故人の性別や亡くなったときの年齢、社会的地位や社会貢献度、そして寺院への貢献度によってランクが示されるものとなっている。

<男性>

 成人男性の場合はランクの高い順に、「院居士」「院信士」「居士」「信士」となる。

 また、15歳くらいまでの男の子には「童子」「大童子」「禅童子」、4~5歳以下の男の子には「幼児」「嬰児」「孩児」が使われる。

<女性>

 成人女性の場合はランクの高い順に、「院大姉」「院信女」「大姉」「信女」となる。

 また、15歳くらいまでの女の子には「童女」「大童女」「禅童女」、4~5歳以下の女の子には「幼女」「嬰女」「孩女」が使われる。

 ちなみに、死産や乳児の場合は、男女ともに「水子」が使われている。

●戒名料について

 戒名をつけてもらう際は基本的に「戒名料」が発生するのだが、実は、戒名料は価格がきっちり決まっているものではなく、あくまでも戒名をつけてくださった「お布施」というスタンスで寺院に渡すもの。そして、どの程度の金額を包むかは施主側の気持ちということになる。なお、戒名のお布施は、葬儀のときの読経料(どくきょうりょう)とともにまとめて包むのがベターである。

 ただし、現実には戒名料をめぐって寺院とトラブルになるケースは多発している。「戒名料が高すぎる!」あるいは、「同程度のランクなのにほかの人より金額が高い!」といった内容のものが多い。

 ここでは、戒名のランクごとに戒名料の相場を掲載する。ただしあくまでも目安である。

・院居士/院大姉……100万円~
・院信士/院信女……80万円~
・居士/大姉……50~70万円
・信士/信女……30~50万円

  1. 1
  2. 2
  3. 3