3月11日――。阪神、中山、中京では、東日本大震災で被災されたすべての方に哀悼の意を表し、ファンの方とともに、掲げられた半旗に向かい、深い祈りを捧げました。

 震災直後、いち早く再開を決めたJRAに対して、こんなときに競馬をやっていいのか? もっと他にするべきことがあるんじゃないのか……と、悩んだのを思い出します。と同時に、チャリティ握手会に並んでくれた人の顔を、今でも昨日のことのようにハッキリと思い出すことができます。

――頑張ってください! 握る手に力がみなぎっていました。

――福島のためにも競馬を盛り上げてください。 涙がこぼれそうになるほど、うれしかったです。あのとき、勇気を元気をもらったのは僕らのほうでした。

 あれから7年……。道まだ半ば。さまざまな場所で、今でも復興に励む人たちがたくさんいます。そんな中で、競馬ができるありがたさを、騎乗できる喜びを改めて噛みしめる一日になりました。

 1918年6月28日に始まった福島競馬は今年、創立100年を迎えます。震災直後は、天井は崩落し、壁は剥がれ落ち、給水管が破裂してスタンドは水浸し……いつ再開できるのか、まるで分からない状態でしたが、ファンの方の熱い思いに支えられ、12年4月7日に再開。今年も、僕らを待ってくれています。1回福島は4月7日にスタート(3週間)。6月30日から7月22日までの4週と、11月3日から18日までの3週、合わせて10週間の開催です。

――今年も、武豊は福島に来てくれるのか? もちろん、騎乗依頼をいただければ僕も喜んで参戦させていただきます。みんなで、競馬を盛り上げていきましょう。

■ディープインパクトのオーナーの愛馬でG3毎日杯を!

 今週末……3月24日の土曜は、阪神でG3「毎日杯」(芝1800メートル)、中山でG2「日経賞」(芝2500メートル)と、2つの重賞レースが行われます。僕が騎乗依頼をいただいたのは毎日杯。パートナーは、4戦2勝、2着2回。連対率100%のユーキャンスマイル。友道康夫先生の管理馬で、オーナーはディープインパクトでおなじみの金子真人さんです。僕がこれまで毎日杯を制したのは、シルヴァコクピットとキズナの2度。ユーキャンスマイルはレース中、内にもたれるなど、まだまだ完成途上の馬ですが、それでも勝つ強さがあります。3度目は、この馬と密かに狙っています。

■G1高松宮記念をダンスディレクターで!

 さあ、そして25日、日曜は今年、2つ目のG1「高松宮記念」(芝1200メートル)。このレースでコンビを組むダンスディレクターは、重賞の勲章を2つ持っている実力馬です。前走、12月23日に行われた阪神Cでは、引退レースだったイスラボニータにハナ差交わされましたが、G1ホースになる資格は十二分に持っている馬です。あとは……枠順と天候とレース展開。そして、もう一つ、騎手の腕次第ですね。

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