■テレビで10億円弱の納税額発言

 今、思えば……であるが、3月5日に放送された『成功の遺伝史世界に誇る25人の日本人』(日本テレビ系)で、たけしはこの騒動を匂わせる発言をしていた。「進行役のくりぃむしちゅーの上田晋也が、たけしに“去年もすごかった。映画もヒットしたし”と声をかけると、たけしはいきなり“金になんねぇんだよ、全部、税務署に持ってかれて”とお金の話を始めたんです。さらに、“頭来たのは、年間、何億も、10億もいかないか。そんぐらい税金がいく”と、驚きの納税額を自ら公表していたんです」(テレビ誌記者)

 これまでのたけしは、収入や資産を聞かれても、「時計を自慢しただけで、税務署がすぐ来るから、イヤになっちゃうんだ」などと、具体的な数字に関しては明言を避けてきた。それだけに明らかな異変と言える。「この10億円発言は、お金をめぐる事務所への不信感を抱えながらの仕事の中で、つい出てしまった本音だったのかもしれません。こうしたことが積み重なって、独立を決断するに至ったんでしょう」(前出の芸能記者)

■世にも奇妙な“労使交渉”

 たけしの事務所に対する怒りは収まらず、その怒りは弟子のたけし軍団にも“飛び火”したという。「軍団に、たけしさんから“お前ら、稼いだ金がどう使われているか知ってるか。みんなで事務所行って話すぞ”と連絡があったようです」(民放局関係者)

 たけしの号令一下、軍団メンバーが東京の赤坂にあるオフィス北野事務所に集結。森社長と社員一同が集められ、世にも奇妙な“労使交渉”が行われたという。「結局、たけしさんは交渉の場には来なかったようですが、たけしさんの意を汲んだ軍団メンバーからは、次々と怒声が発せられ、現場は映画『アウトレイジ』さながらの修羅場となったようです」(前同)

 本誌の取材に対してオフィス北野サイドも、こうした交渉が数回行われたことを認めている。「これまで一緒にやってきたタレントから、厳しい言葉を浴びせられたオフィス北野の社員たちは、怒りと失望で、やるせない気持ちになったといいます。この事務所の屋台骨は言うまでもなくたけしさん。たけしさん一人で売り上げの8割程度を稼いでいたようです。たけしさんが独立して去るうえ、軍団メンバーに罵倒されたため、すぐに複数の社員が辞表を提出。多くも、これに続く動きを見せているようです」(同)

■愛人と新会社を設立

 オフィス北野で社員の退職が相次ぐ中、騒動の張本人であるたけしは今後、どうするのだろうか?「たけしさんは3年ほど前に18歳年下のビジネスパートナーの女性と新会社を設立済みで、今後は、この新会社を拠点に活動していくのではないかと見られています。この女性は4年前に週刊誌が“愛人”として報じた女性です。たけしさんが一気に独立に踏み切れたのも、受け皿がしっかり準備されていたからでしょう」(前出の芸能記者)

■事務所名は『オフィスたけし軍団』に!?

 では、たけしを絶対の存在と仰ぐ軍団の面々は、どうするのだろうか?「事務所を出て、たけしさんに追随するのかと思われましたがガダルカナル・タカさんが、14日放送の『とびっきり!しずおか』で、“我々は(オフィス北野に)残ります”と明言したため、事務所に残るのだと思います。ただ、たけしさんは“事務所の名前は、『オフィス北野』から『オフィスたけし軍団』に変更しろ”と言っているようですので、いずれ、社名は変更される可能性が高いですね」(民放局関係者)

 たけしは去り、軍団は残る――たけし軍団を中心として、現在の事務所をリニューアルするにしても、問題が山積しているという。「大黒柱のたけしさんがいなくなってしまうわけですから、スタッフの整理は不可欠でしょう。現在のオフィス北野は、タレントを除き、総勢35名程度の社員が在籍する会社ですが、スタッフは10名前後になるのではないでしょうか。ただ、社員の多くは会社に対して不信感を募らせていますので、残る人は少ないのでは……」(前出の民放局関係者)

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