2018年春――。太陽系を覆うフォトンベルトの異常で時空の歪みが発生。宇宙世紀を戦うガンダムが、現代の地球にタイムトラベル。突如現れた謎のモビルスーツ軍団に対し、米軍は直ちに宣戦布告。超テクノロジーの産物であるモビルスーツ群と、“人類最強”米軍最新兵器のガチンコバトルの幕が開いた!
モビルスーツは1体でどんな任務でもこなすことができる。これを軍隊用語では“マルチロールファイター”と呼ぶ。戦うだけでなく、人間のように2本の手を使い、物を運んだり直したりといった高度な労働もできてしまう。もし我々の住む現代にこのような兵器があったら、文字通り最強と言えるだろう。
と、前置きはこれぐらいにするとして、早速、モビルスーツと現代の主要米軍兵器を戦わせて見て、どちらが強いかを客観的に見ていくことにしよう。本当にモビルスーツは無敵なのか、近代兵器になす術はないのか? ガンダム対最強米軍――夢の対決の行方に注目せよ!(※本特集はあくまで編集部の独自判断に基づいた仮想取組です)
■「ガンダム対スーパーホーネット」前提ルール
- □戦場は宇宙ではなく地上、洋上、空(大気圏内)に限る。
- □レーダー、誘導弾(ミサイル)を無力化するミノフスキー粒子という設定は無視。
- □ガンダム側は索敵用のレーダー及び誘導弾が使えないが(そもそもミノフスキー粒子の設定なので装備していないことが多い)、米軍は兵器性能を最大に発揮できる。
- □装甲の強度は、ガンダム側は米軍の2倍(従って1発で撃破可能な兵器でも、2発ヒットしないとダメ)。
- □モビルスーツはファーストエピソード(1年戦争)時のもののみに限る。
- □ビーム兵器の威力は、米軍が使用する通常弾の2倍とする。
■それぞれのスペック
●ガンダム(コアファイター時は飛行可)
- 全高:18m
- 全備重量:60t
- ジェネレーター出力:1380kw
- スラスター総推力:55500kg
- センサー有効範囲:5700m
- 装甲材質:ルナ・チタニウム合金
- 乗員:1名
- 武装:ビーム・ライフル、バルカン砲、ビーム・サーベル他
●F/A-18Eスーパーホーネット
- 全長:18.38m
- 全幅:13.62m
- 全高:4.88m
- 最大速度:M 1.6
- 航続距離:約3705km
- 実用上昇限度:15250m
- 乗員:1名
- 武装:空対空、空対地、空対艦ミサイル、爆弾、20mmバルカン砲
■アウトレンジから長距離ミサイルを撃ちまくれば勝機あり!?
ガンダムは究極のマルチロールファイターである。ホワイトベースを母艦とし、地球上、そして宇宙でも活動することができる。ガンダムとしては自力で飛行こそできないが、必要に駆られれば、上半身と下半身を分離させ、コアファイターとなって飛ぶこともできる。現代にも対空・対地・対水上となんでもござれのマルチロールファイターとして空母艦載機F/A-18Eスーパーホーネットがある。ということで、“艦載機”同士であるガンダムとスーパーホーネットを戦わせてみよう。
とはいえ、アムロ・レイのような天才的なニュータイプがパイロットでは、向かうところ敵なしとなってしまうので、ここではパイロットは『ポケットの中の戦争』のクリスチー・マッケンジーや『第08MS小隊』のシロー・アマダをイメージして欲しい。
現代戦ではミノフスキー粒子なるものは存在しないので、スーパーホーネットは早々にミサイル攻撃を仕掛けることだろう。いくら俊敏なガンダムといえども、向かってくるミサイルをかわすのは相当難しいだろう。岩場に隠れるとか、思い切って水中に潜ってしまうなどといった回避は有効だろう。
ボディの装甲は強靭なように見受けられるので足を攻撃したいところであるが、ミサイルは熱源の高いところへと向かって飛翔するので、思い通りにはいかないだろう。ガンダムが持つ武器のアウトレンジ(射程圏外)から、長距離ミサイルでひたすら攻撃を仕掛けて、パイロットを疲弊させていくのが安全で確実である。ガンダムのセンサーの有効範囲は5700mなので、スーパーホーネットをレーダーで捜索するのは不可能。冒頭でのお断りの通り、パイロットがアムロならば、“心の目”で居場所を突き止めてしまうのだろうが……。
ガンダムは誘導兵器こそ持っていないが、ザクを一発で仕留めるビームライフルを持つ。だがその威力を最大限に発揮できるのは宇宙空間のみで、物理法則上、大気圏内では威力は低下し、射距離は短くなってしまう。意外や意外、地球上で、ガンダムが1機だけでは、米軍が誇る近代兵器の前に歯が立たない可能性が高いのだ!
今回の「機動戦士ガンダム VS 最強米軍」の仮想取組は見事スーパーホーネットに軍配が上がった。やはりガンダムはアムロが搭乗するしかないのか。