●7月/文月(ふみづき/ふづき/ふつき)

7月7日には詩歌を詠んだり、書物を夜風に晒したりする行事があったことから「文披月(ふみひろげづき)」と呼ばれていた。または稲穂が膨らむのを指して「含み月(ふくみづき)」、「穂含み月(ほふみづき)」ともいう。

●8月/葉月(はづき)

 ちょっと気が早いようだが「葉落ち月」が変化したという。稲穂が張る「穂張り月(ほはりづき)」、雁がはじめて飛来する頃という意味の「初来月(はつきづき)」、南から台風が近く「南風月(はえづき)」が由来という説もあり。

●9月/長月(ながつき)

 徐々に夜が長くなることを理由に「夜長月(よながづき)」の略、という説が有力。秋雨の「雨長月(あめながづき)」や「稲刈月(いなかりつき)」といった説もあり。

●11月/霜月(しもつき)

 読んで字のごとく、霜が降り始める季節。「食物月(おしものづき)」、「凋む月(しぼむつき)」、「末つ月(すえつつき)」の音が変化したものという説も。

●12月/師走(しわす)

 師(僧侶)も馳せるほど慌ただしい「師馳す(しわす)」が語源、というのは俗説で正確な起源は分かっていない。平安時代の古辞書「色歯字類抄」にはすでに、しわすの言葉が載っていたが、添えられた解説は曖昧なものだった。「年果つ(としはつ)」、「四極(しはつ)」、「為果つ(しはつ)」が由来という解釈もあり、どれも1年の終わりを表している。

■旧暦10月=神様不在説はデマカセ!?

 十月を“神の無い月”と書く由来は、この月間には日本中の神様が出雲大社へ会議のために集まるため、その期間は本来の持ち場が留守になるから、というものが有名だ。反対に、神様が集まってくる島根県では「神在月(かみありつき)」「神有月」と呼ぶ。

 この説の発祥は、どうやら中世以降。出雲大社に仕えて参拝客に参拝や宿泊の世話をする、御師という職業の人たちが言い始めたようだ。いわば観光業で食べていた彼らの営業トークから、その後広まっていったのかもしれない。神様が出払ってしまうといっても、出雲以外で10月にお祭りをやっている神社も多く、決定的ないわれではないと思われる。

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