冬季五輪史上最多となった平昌五輪の13個(金4銀5銅4)に続き、パラリンピックも10個(金3銀4銅3)のメダルを獲得。チームジャパンの強さを示してくれました。世界中の強豪が集まる大会でメダルを手にした選手、惜しくもメダルには届かなかった選手、すべてのアスリートに、拍手を贈りたいと思います。

■海外でG1レースを勝利

――いつか、世界の舞台で勝負してみたい。僕の中に夢が芽生えたのは、10代半ば……競馬学校で、苦悶していたころです。でも、当時のそれは、ただの憧れのようなものでした。

 憧れが現実になったのは、初めてJRAリーディングを獲得したデビュー3年目の夏……アメリカのアーリントン競馬場でグランマジーに騎乗、アローワンスを制したときのことです。エルセニョールでG3「セネカH」を勝ったのは、そこから2年後の91年。スキーパラダイスでG1「ムーラン・ド・ロンシャン賞」を手にしたのは、さらに3年後の94年です。あのときの込み上げてくるような喜びは、今でも忘れることができません。ただ、この勝利は、ようやく世界で戦える入り口に立ったようなもの。これで世界と肩を並べることができたとは、少しも思っていませんでした。

 この翌年、米国に渡った野茂英雄さんの活躍に心を熱くし、――いつか、自分も! 抱えきれないほどたくさんの勇気をいただき、諦めることなく夢を追い続けてきました。

■日本人アスリートたちが世界の頂点に

 あれから二十数年……現在は僕以上に海外の舞台で活躍する日本人選手が本当にたくさん出てきています。先日も、同じ日のスポーツ新聞に、ノルディックスキーのW杯で、渡部暁斗選手の総合優勝。バドミントンの全英オープンの混複で、渡辺勇大選手、東野有紗選手が日本人初となる優勝。女子レスリングW杯、団体戦の4連覇。スピードスケート、高木美帆選手の距離1500メートルの総合優勝と、日本人アスリートが世界の頂点に立った記事が並んでいました。これって、ものすごいことです。何度も、何度も、凱旋門賞に挑戦し、その都度、跳ね返されてきた僕をはじめとする日本のホースマンからすれば、ため息が漏れるほど大きな勲章です。日本のホースマンも負けてはいられません。

■今週はドバイワールドカップ!

 今週末の3月31日は、世界の競馬ファンが注目するドバイ国際競走です。僕が騎乗依頼をいただいたのは、G1「ドバイワールドカップ」(アウォーディー)、G1「ドバイゴールデンシャヒーン」(マテラスカイ)、G2「ゴドルフィンマイル」(アキトクレッセント)の3つ。この他にも、G1「ドバイシーマクラシック」とG1「ドバイターフ」、G2「UAEダービー」と、6レース14頭の日本馬が挑戦します。

 競馬はチーム戦ではありませんが、気持ちのうえではチームジャパンです。騎乗するレースは最大の力で。騎乗しないレースは、声を張り上げて日本の馬と騎手を応援します。

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