サンマにサケも不漁…日本から「魚がいなくなる日」

 水産大国ニッポンの漁業が今、危機に瀕している。「昨年の農林水産省の発表によると、国内の漁獲量は2016年で431万2000トン。20年前より4割も減りました」(全国紙記者)

 漁業に携わる人も、20年で44%減。約16万人にまで落ち込んでいるという。「イカ、サンマ、サケなど大衆魚からウナギのような高級魚まで、すべてが不漁。これじゃ廃業まっしぐらです」(関東近郊の漁労長)

■中国漁船の乱獲のせいではなく…

 特に近年、落ち込みが激しいのがサンマだ。「特に酷かったのは昨年。“過去最低の水準”と言われた15年、16年の約11万トンをさらに下回り、約7万7000トンにまで減少したんです」(専門紙記者)

 それを受け、東京の築地市場では、昨年10月第4週の平均卸価格が16年度平均より3割も高騰。「今年は状況が好転するといいんですが……他の魚を見てると、まったく希望が持てない」(市場関係者)

 夏のスタミナ食材・ウナギの場合、すでに今年も“黄信号”が灯っている。「ウナギは成魚を獲るのではなく、冬から春のうちに稚魚のシラスウナギを獲って養殖するのが主流。ところが、その漁獲量は今年1月時点で前年同期比、なんと1%。壊滅的です」(前出の専門紙記者)

 各漁協も慌てて漁期を延長したが、前年と比べ、漁獲高が減るのは避けられない状況。そして季節を問わず食べられると思っていた大衆魚の代表、サケも……。「17年の漁獲高は、“24年ぶりの不漁”と言われた16年より、さらに4割減。本場のはずの北海道では盗難事件も起きました」(同)

 なぜ、こんなことに?「“中国漁船の乱獲のせい”などというメディアもありますが、違います。そもそも気候変動によって“日本から魚がいなくなっている”んです」(海洋学者)

 どういうことか?「サンマは毎年夏頃に太平洋から日本に向かって回遊を始め、秋頃に三陸に到達しますが、今、日本に向かうサンマの数そのものが減っているんです」(前同)

 原因は“海水温”だという。「ここ数年は、釧路沖付近の海水温が上昇し、サンマが日本に近づきづらい状況。サケも同じで、川から海に出て回遊を始めた稚魚が、海水温が高すぎて死んでしまうんです」(同)

 ウナギの減少にも海水温の影響が指摘されるが、別の原因もあるという。「シラスウナギの生息場所が、河川の環境破壊で激減した影響のほうが大きいですね。環境破壊も海水温上昇も、人間の自業自得ではありますが……」(前同)

 “水産ニッポン”を守るため、我々には考えるべきことがあるのかもしれない。

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