柴咲コウ
柴咲コウ

 企業役員と聞くと、芸能人とは無縁なお堅いイメージがあるが、最近ではIT企業の代表取締役を務めるなど、企業経営に携わる芸能人が多い。いったい、どんな仕事をしているのか調べてみた。

 2017年に放送されたNHKの大河ドラマ『おんな城主 直虎』で大役を見事に演じ切った女優の柴咲コウは、16年にIT企業を設立している。柴咲は業界大手の芸能事務所スターダストプロモーションに所属しているが、16年11月にメディア事業や音楽事業などを手がけるIT企業のレトロワグラースを設立し、自ら代表取締役兼CEOに就任している。

 スターダストにおける“社内独立”が事実上認められる形になり、レトロワグラースは柴咲のファンクラブ事業をスターダストから引き継いだ他、新レコードレーベルを立ち上げるなどした。マネジメント業務は、引き続きスターダストが行うとのことだが、一部では事務所からの完全独立への第一歩なのではないかという声もある。

 同じく俳優の水嶋ヒロも、企業経営者として知られている。水嶋はクリエイターなどの活動を本格化させるため、16年4月に自身が代表を務める株式会社3rd i connectionsを設立。5月に転職情報サイトなどを運営する株式会社じげんのCLO(チーフ・ライフスタイル・オフィサー)、9月には旅行会社マゼラン・リゾーツ・アンド・トラストのブランディングディレクターにそれぞれ就任し、話題を呼んだ。

 実業家として多忙を極める水嶋だが、今年8月には外国人とのビジネスを円滑に進めるため、英会話のレッスンを月に2、3回受けていることを自身のブログで報告しており、仕事への熱意はますます高まるばかりのようだ。引退発表こそしていないものの、水嶋の芸能活動はほぼストップ状態。水嶋は今や芸能人ではなく、ビジネスパーソンと言っていいだろう。

西川貴教の社長就任はネタ?

 企業経営といえば所属する芸能事務所、ディーゼルコーポレーションで自ら代表取締役を務めているT.M.Revolutionの西川貴教も忘れてはならない。西川は2016年4月に、デビュー20周年の関連事業や地域活性化事業などを手がける企業、突風を立ち上げ、自ら代表取締役社長に就任している。同社はTMRのヒット曲『HOT LIMIT』の名物衣装を忠実に再現した公式HOT LIMITスーツを販売する他、西川の出身地である滋賀県内の企業が自社製品の宣伝などに使用できるよう、西川の画像素材を提供するサービスも行っていた。しかし発足当時は今後も事業の拡大を進める予定とあったが、その後は新たな事業は発表されず。デビュー20周年を盛り上げるためだけに作られた会社だったようだ。

 最後に紹介するのは、ITベンチャー企業テラスカイで役員とグローバル・アライアンス部長を務める、お笑い芸人の厚切りジェイソンだ。芸人デビューする前からビジネスマンとして活躍していたジェイソンだが、テラスカイも取引先にキヤノンや富士通、KDDIなど名だたる大企業が並ぶ一流企業。15年4月に東証マザーズへ上場したのだが、公開価格の1700円から株価はぐいぐい上昇。17年12月には7800円の価格をつけているから驚きだ。ちなみに厚切りジェイソンは、このテラスカイの株を1万1380株保有しているという。計算するとその額は約8000万円以上。仮に芸能活動がうまくいかなくなっても、心配はなさそうだ。

 企業経営に進出する人気芸能人たち。芸能活動とリンクしているものから、まったく関係のないものまでさまざまだが、ビジネスで得た経験が芸能活動で生きる場面も多いはず。どちらも熱心に頑張ってもらいたいものだ。

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