わろてんか、松坂桃李の“画期的”朝ドラキャラとは?

 葵わかな(19)がヒロインのてんを演じる連続テレビ小説『わろてんか』(NHK)も、ついに今週で完結。朝ドラは週6日の放送なうえ、半年という長い放送期間であるため、毎日見てきた視聴者にとって、最終週はなんともいえない寂しさを感じる。そんな中、先週の放送を見てあらためて気づかされたことがあった。

 今回は、3月24日の放送回を振り返る。「さらば北村笑店」の週タイトル通り、ついに北村笑店が解散してしまった。てんやトキ(徳永えり/29)たちの疎開を進言する風太(濱田岳/29)。これを受けて、てんは北村笑店の関係者を集め、北村笑店の解散を発表する。「笑いの火を守るためや」というてんの力強い言葉に、一同はうなずく。後日、会社を片づけていたてんに、リリコ(広瀬アリス/23)は藤吉(松坂桃李/29)の名前を出し、疎開するてんを励ます。その後、キース(大野拓朗/29)の提案で大宴会を開くことになり、宴席には藤吉の遺影が置かれていた。てんはその遺影を抱え、「風鳥亭でまたお会いしましょう」と北村笑店の再興を誓うのだった。

 この放送回では、藤吉の遺影に目が行った。そういえば藤吉の逝去後も、彼の名前を耳にすることは多いし、独特の存在感がある。これって実はスゴいことではないだろうか?

 朝ドラでは、イケメン俳優が演じる役が亡くなると、ネット界隈で“ロス”が注目されてきた。『わろてんか』でも、てんの兄である新一(千葉雄大/29)が病死すると、“新一ロス”と話題になった。過去の作品を振り返っても、2016年上半期『とと姉ちゃん』の主人公姉妹の父で、西島秀俊(47)が演じた竹蔵や、15年下半期『あさが来た』では、ディーン・フジオカ(37)演じた五代友厚など、劇中の死がニュースになったケースは多い。

イケメンなのにロスにならない新しいキャラ像

 しかし、藤吉にはこのロスがほとんどなかった。SNSで“藤吉ロス”“藤吉”などで検索しても、あまりコメントは見つからず、世間の反応が小さいことに驚く。借金もするし、新規事業も失敗。子どもができても、ろくに家に帰らず飲み歩く。物語の前半、視聴者のツッコミを一身で受けた稀代のダメ男は、死後、てんを励ますために幻としてたびたび登場した。これには「さすが藤吉、空気を読まない」と、多くの視聴者はうなったはず。こちらに喪失感を感じる暇さえ与えない、こんなキャラは、過去の朝ドラにはいなかった!

 死んでしまったキャストが、最終回近くなったタイミングでチラッと登場して涙を誘うという、これまでの朝ドラの定石を破った藤吉は、新しいキャラ像を作り上げたと言って良いだろう。これも松坂桃李の存在感と、ダメ夫を貫いたリアルな演技のたまものといえる。『わろてんか』最終週、ロスにならなかった藤吉のすごさと、存在感を噛みしめながら見ると、よりラストを楽しめるはず。どんなシーンで藤吉が登場するかも、要注目だ。

朝ドラ批評家半澤の朝ドラブログ
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