■中学校、高校の運動会

 中学校や高校の運動会は、「体育大会」「体育祭」などといった名称で呼ばれることが多い。5~6月の春が主流となりつつある小学校の運動会に対して、中学校や高校の運動会は9~10月の秋に開催される傾向が強い。中には、チームリーダーなどを引き受けた生徒が、夏休み期間中も学校に通い、ダンスの振付やプログラム作りなど運動会の準備を進めていく、というスケジュールを組む学校も少なからず存在している。そういったことからもうかがえるように、中学校や高校での運動会は、小学校に比べ、生徒主体のウェイトが多い。

●生徒主体で運動会を行うメリット

・生徒の自主性、責任感、協調性、創意工夫、問題解決能力を高める効果が期待できる
・チームやクラスの団結力を高める効果が期待できる

●生徒主体で運動会を行うデメリット

・生徒たちの負担が大きい

・運動会の練習期間中は、他の授業に身が入らない

・自主練習の強要など、生徒間のトラブルが発生しやすい

 また、中学校や高校での運動会では、棒倒しや組体操など危険が伴う競技もあり、死亡事故の危険性を指摘する専門家もいる。

 中学生、高校生ともなると「自分たちでやろう」という気持ちを持ち一致団結することも期待できるし、競技や応援やダンスなどあらゆる角度から自分たちのチームの個性を出そうと動き出すこともある。しかしながらその気持ちが暴走して、腕にチーム名などのペイントを施す、体操服を改造する、チームカラーを用いたメイクを施すなど、いわゆる「教育の場にふさわしくない」と見なされてしまうような行動に出てしまうこともしばしばある。学校によっては、校則違反をしている生徒のいるチームは減点、という処置を取っている。

 とはいえ、小学生と比べると体が大きくて身体能力も高い中学生・高校生の運動会は、小学校の運動会以上に盛り上がるし、地域の人々から「面白かった」「元気をもらえた」と好評を得られるという側面もある。

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