米朝首脳会談、金正恩vsトランプ「大謀略戦」舞台裏の画像
米朝首脳会談、金正恩vsトランプ「大謀略戦」舞台裏の画像

 5月までに開かれる見通しとなった米朝首脳会談。「金正恩委員長からの早期会談の要請に、トランプ米大統領が応じた形です。北朝鮮側は、核・ミサイル発射実験の凍結も約束しました」(全国紙外信部記者)

 実現すれば先日の中朝首脳会談に続き歴史的な会談となるが、裏に回れば関係各国の思惑が見え隠れする。「取り持った韓国の文在寅大統領は、これを最大の成果として、6月に控える国内の統一地方選挙に利用する構え。北朝鮮の平昌五輪参加を巡り、北の要求に最大限応じたのも、そのためです」(韓国紙日本特派員)

 一方、北朝鮮側の狙いは1日も早い制裁解除だ。「経済制裁が効き、軍人ですら食料が不足し、7割が脱北を希望しているともいわれる過酷な状態。庶民の飢餓も深刻で、あと数か月で餓死者が出るとも見られています。体制維持のためにも、制裁の抜け穴を探っている状況です」(前同)

 また、これまで対話に消極的だったトランプ米大統領が方針転換したのにも、事情がある。「トランプ大統領は11月に中間選挙を控えていますが、支持率40%割れもしばしば。対北朝鮮政策で成果を上げ、支持率を挽回する狙いです。さらに、元来の“交渉好き”な性格も一因でしょう」(前出の記者)

 この米朝会談中には“女の戦い”も噂されている。「金正恩委員長の妹・金与正氏と、トランプ大統領の娘、イヴァンカ氏との“鉄の女会談”が、同時開催されるのではと、もっぱらです」(前出の特派員)

■和解か戦争か、北朝鮮とアメリカ究極の選択

 ただ、会談が歴史的和解に結びつくとは限らない。「米国は、交渉のたびに裏切られ続けた過去がありますからね。クリントン政権は94年、北朝鮮の核凍結と核拡散防止条約(NPT)残留の代償として、軽水炉と重油を支援する“ジュネーブ合意”を発表。しかし、北朝鮮はその間にも核開発を進め、2003年にNPTを脱退しています。北朝鮮が生き残る道は核武装のみ、と信じる金正恩委員長が、非核化に踏み切るわけがない。会談は経済支援を引き出す方便にすぎないでしょう」(前同)

 だが、そうは甘くないのがトランプ政権。「米朝会談は“和解か戦争か”という究極の選択を見極める場――アメリカ側はこう捉えているはず。会談後、北に対して軍事行動に出るという選択肢も残っています」(通信社記者)

 それを如実に示すのが、ティラーソン前国務長官の電撃解任だという。「軍事オプションよりも、外交・経済的圧力を重視すべきと主張するティラーソン氏と、大統領の意見が対立したため、解任に至ったようです。大統領は周囲を“対北攻撃派”で固め、安保チームを一枚岩にするのが狙い。むしろ開戦の可能性は高まっています」(前同)

 トランプ大統領が、“対北強硬路線”を崩さないのには、他にも理由がある。「米国の専門家らは、今年の11月頃までに北朝鮮が米本土に到達する大陸間弾道ミサイルを完成させると見ています。開発後となれば、米国のリスクは一気に高まる。軍事行動に出るなら今秋が最終期限です。また北朝鮮の脅威を背景に、日本や韓国へ自国の武器を売りつけているため、安易な和解は経済的にも得策ではありません」(同)

 和解か開戦か。いずれにせよ、歴史的瞬間は目前だ。

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