ビットコインは価値がなくなる!? 世界経済「バブル崩壊」壮絶史の画像
ビットコインは価値がなくなる!? 世界経済「バブル崩壊」壮絶史の画像

 乱高下を繰り返している仮想通貨。このまま暴落するのか、まだまだ上がるのか? 歴史上のバブルの事例を紐解きつつ、その未来を経済評論家の森永卓郎氏の解説で読み解く!

■ビットコインが大暴落

 2018年1月17日、前日まで160万円台で推移していたビットコインの価格が、一時100万円台前半にまで暴落する騒ぎが起こった。その後、ビットコインの価格は上下を繰り返したが、1月26日に起きた仮想通貨取引所、コインチェックの流出騒動で再び値を下げ、3月の時点では100万円を下回る価格で取引されている。

 一時は200万円以上まで価格が上昇して、1億円以上の資産を持つ「億(おく)り人」を生んだビットコイン。その急激な価格上昇に、かつての「バブル景気」を思い出した人も多いだろう。はたして、ビットコインはバブルなのだろうか?

「そもそもバブルとは、株などが本来の価格より高くなってしまうことを指します。ビットコインなどの仮想通貨は、円など国が発行する通貨と違って、その価値を担保する資産の裏づけがありません。また、どこでも使えるというわけではありません。それなのに、なぜ価格が上がるかというと、単なる需給関係、欲しい人が多くて上がっているだけなんです。これは完全なバブルですね。いつか崩壊するのは、前から分かっていたことですよ」(森永卓郎氏)

■うさぎバブルやチューリップバブル

 バブルというと、日本では1980年代後半の、株価や地価の高騰によって起きた「バブル景気」が有名だが、森永氏によると実はたびたび起きているという。まず日本では明治初期に起きた「うさぎバブル」が、バブルの元祖だ。これは時代が変わったことで、ひまな時間を持て余した武士階級が、うさぎを飼いだしたのが始まり。オークションでうさぎが売買されるようになり、うさぎの値段は10倍以上、今の価格で1羽30万円以上の値段がついた。しかし、東京府がうさぎに税金をかけるようになり、売買でも儲けにくくなったため、すぐに終了したという。

 また、海外で有名なのが、17世紀にオランダを中心に起こった「チューリップバブル」だろう。もともとチューリップは花びらに珍しい模様が出るものが高値で取引されていたのだが、球根の状態では模様が出るのかが分からない。そのため、一攫千金を狙って、球根を大量に購入する人が急増したのだ。球根は比較的に安価だったこともあって、一般庶民も投機目的で買うようになり、価格は数週間で60倍にまでなったが、突然、価格は暴落。その理由は定かではないのだが、わずか1年ほどで、この「チューリップバブル」は崩壊してしまったという。

■仮想通貨は限りなくゼロに!?

 森永氏には、これまでのバブル同様、崩壊すると指摘されたビットコインを始めとする仮想通貨だが、一部では価格が再び上昇するともいわれている。それは本当なのだろうか? 「仮想通貨は今後、価格の上下はあると思いますが、ゆっくりと、そして限りなくゼロに近づいていくと思いますよ。実は国自体が仮想通貨を発行する可能性が高く、すでに実験をしているんです。国が発行する仮想通貨なら価格の変動はありませんし、どこでも使えます。もし実現すれば、今あるような仮想通貨を使う人はいなくなりますし、仮想通貨自体の価値がなくなってしまうんですよ」(前出の森永氏)

 確かに現在の仮想通貨の人気は、将来、普及するだろうという目論見でのみ、成り立っている。もし、仮想通貨を国が発行するならば、わざわざ価格の不安定な仮想通貨を使う必要はない。その価値がなくなってしまうのは当然のことだろう。

■東京オリンピックまでに株や不動産も

 また、森永氏は仮想通貨だけでなく、現在の日本株も、まさにバブル状態であると指摘する。「バフェット指数という、その国の株価が適正かどうかを判断する指数があるんですが、それで考えれば、1月末時点での日経平均株価は1.3倍。本来は1倍が適正な価格ですから、これはもう十分にバブルなんですよ。バフェット指数からすると、日経平均株価は1万8000円じゃないと、おかしい。2月になってから株価が大きく下がりましたが、さらに1万5000円台まで下がるでしょう。それにバブルなのは、株だけではありません。好況が続いている都心の不動産も、そろそろ危ないと思いますよ。2020年に東京オリンピックが予定されていますが、それまでに株、仮想通貨、都心の不動産のバブル崩壊は必ず来ると思います」(森永氏)

■手堅くお金を増やすことはできるのか?

 価格の下落だけでなく、社会全体に景気の後退を呼び込んでしまう、バブルの崩壊。そんな時代に、手堅くお金を増やすことはできるのだろうか? 「もし投資信託などを買うなら、株価が下がり切るまで待ちましょう。日経平均で1万5000円台になれば、買い時だと思いますよ。また、手堅くいくなら、今後はアメリカの金利が上がる見込みがあるので、株よりもアメリカ国債を買うのがオススメですね。元本が保証されていて、利回りも最大で3.1%ですから、長期運用に向いています」(前同)

 明日の株価を予測することは誰にもできないが、バブル景気がいつかは崩壊することは、これまでの歴史が証明している。甘い儲け話には踊らされないよう、今から備えておきたい。

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