■ビートたけしの番組にはヤバい企画が多い

 前述したテリー伊藤とビートたけしが組んだ『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日テレ系)も、再放送NG企画のオンパレード。100人のエキストラが道行く一般人を、いきなり胴上げしたり、振り向くと、100人が「シェー」をする「100人隊」という名物企画の中にも、NG殿堂入りなものがある。「それは、歩いている一般人を隠し撮りし、曲がり角の向こうから100人が津波だ! 津波だ! と叫びながら駆けだしてきたのに驚いて一緒に逃げる必死の形相をスタジオでゲラゲラ笑うというパターン。東日本大震災を経た今、これをやったら、完全に社長以下全役員のクビが飛びますよ」(テレビ誌記者)

 また、オスマン・サンコン絡みの企画も、何かとギリギリだった。「真っ暗なスタジオに潜む黒い肌のサンコンさんを探したり、ときにサンコンさんに襲いかかられたりする『暗闇でサンコン』というド直球の企画が、その筆頭。現在では抗議殺到でしょうが、当のサンコンさんは“このジョークには愛がこもっていた”と、気にしていない旨の発言をしています」(元放送作家)

 過激な漫才で鳴らしたたけしの番組には、他にも、とにかくヤバい企画が多い。『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』(日テレ系)は、過激な企画に対する芸人のリアクションで競い合う番組。「たけしの過激さに、80年代~90年代の金があった頃の日本の勢いを乗っけた結果生まれた、バブルのあだ花のような番組です」(元放送作家)

 クイズに答えないと乗車したバスが海に沈められる「バス吊り下げアップダウンクイズ」の他、「リュックサック爆破クイズ」や「人間水車クイズ」、さらには、先輩芸人が後輩芸人に対する力関係を盾に、ホモプレイやSMプレイを強要するフリをして相手を試す「人間性クイズ」まで、芸人を肉体的にも精神的にも酷使するクイズが行われた。「ですが、この番組がなければ、リアクション芸人の帝王・出川哲朗やダチョウ倶楽部の今はなかったのも事実。そう考えると、なかなか趣深いですね」(前同)

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