貴乃花親方「全面降伏の深層」の画像
貴乃花親方「全面降伏の深層」の画像

 貴公俊の不祥事以降、協会への態度を一変。告発状も取り下げるに至った「平成の大横綱」だが、改革の夢は諦めたのか。胸中に迫る!

 元横綱・日馬富士による貴ノ岩(28)への傷害事件以降、相撲協会への批判を繰り返し、内閣府に協会への立ち入り検査を求める「告発状」を提出するなど、協会との対立姿勢を鮮明にしてきた貴乃花親方(45)。世論の後押しを受け、一気に協会改革かと思われたが、ここにきて一転、全面降伏する結果となった。「潮目」が変わったのは、新十両の愛弟子・貴公俊(20)の春場所8日目の付け人殴打事件だ。「付け人の指示が遅く、土俵下の控えに入るのが遅れた貴公俊が、審判委員に注意されて逆上。取組後の支度部屋で付け人を5~6発殴打し、流血騒ぎに。貴公俊は残りの場所を謹慎することになりましたが、声高に暴力根絶を訴えてきた親方の身内の不祥事だけに、説得力が急速に失われてしまった。内閣府への告発も取り下げを余儀なくされた」(スポーツ紙記者)

■喫煙所で写真撮影やサインに応じて

 その後、取材陣に「私の一連の行動が弟子に負担をかけていたのもしれない」と反省し、「すべてをゼロにして一兵卒として出直し、精進する」と発言した親方。実際、千秋楽の朝稽古後には、稽古場周辺のゴミ拾いをしている。「殴打事件の前は、春場所初日を無断欠勤。翌日からも、貴ノ岩の容体が予断を許さないため、常に医師との連絡を取り合う必要があるとの理由で、早退や欠勤を繰り返していましたからね。それが事件以降は役員室に常駐。弟子のケガを理由にズル休みしてたとしか思えない。ゴミ拾いもパフォーマンスに見えてしまいますよ」(協会関係者)との意見もあるが、事件後の春場所では、いつもとは違う親方の姿があった。「メディアやファンへの対応が一変。ほとんど取材を受けなかった親方が囲み取材を受けるようになった。しかも、部屋関係者の女性が取材を打ち切ろうとすると、“まだいいんだよ”などと、続行を促す気遣いまで見せた」(前出の記者) 

 貴ノ岩復帰会見で、意に沿わぬ質問をされた瞬間、会見を打ち切った親方からは考えられない変貌ぶり。また春場所が行われたエディオンアリーナ大阪の喫煙所は、関係者も一般人も一緒のスペースだったが、「葉巻派の親方は、喫煙所で話しかけられると、気さくに写真撮影やサインに応じていましたね。巡業部長時代は、葉巻をふかす際も、遠くを見て、背中から話しかけるなオーラを放っていましたが……」(同)

  1. 1
  2. 2