羽生善治二冠&藤井聡太六段、2人の天才が「将棋の常識を変える!」の画像
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「これまで将棋界では、強さのピークは30代とされてきました。若い頃からの積み重ねが最大限に生かされ、それでいて記憶力がまだ衰えていない。40代以降になると、経験値ではカバーできなくなるほど、棋譜などを憶える力が落ちてしまうことから、そのように言われてきたんですが、この2人によって、その常識が覆りそうです」(将棋連盟関係者)

 2人とは、史上最年少でプロ入りし、公式戦29連勝の記録を打ち立てた天才・藤井聡太六段(15)と、史上初の永世七冠となり、国民栄誉賞を受賞した羽生善治二冠(47)のことだ。「藤井君は実質的なプロデビュー年の昨年、対局数、勝数、勝率、連勝の記録4部門でトップを独占する四冠王を達成。今年に入ってからも、朝日杯将棋オープン戦本戦で佐藤天彦名人を破り、2月には五段に昇進すると、同月の朝日杯で羽生二冠を破るなどして優勝し、史上最年少で六段に昇進。16連勝するなど、一番勢いのあるプロ棋士でしょうね」(前同)

 30代ピーク説の半分の年齢で藤井六段が頂点を獲ったことで、現在、将棋界では「藤井ショック」の嵐が吹き荒れているという。「プロ棋士は皆、プライドが高いですからね。新人の15歳相手にコテンパンにやられたんじゃ、立ち直れなくなるよ」(機関紙を愛読する将棋ファン)

 一方の羽生二冠も負けてはいない。昨秋の竜王戦を制した勢いそのままに、3月21日にはA級順位戦プレーオフを制し、名人戦への挑戦権を獲得したのだ。「もし、これで名人のタイトルを奪取したら、通算100期目のタイトルとなります。もちろん、歴代1位の通算タイトル獲得数ですが、あの大山康晴十五世名人が持つ歴代2位の通算80期をすでに大きく上回っている。これは将棋史に残る偉業です」(前出の関係者) 通説に従うならピークは過ぎているはずの47歳の羽生二冠だが、まさに衰え知らずといったところ。

■将棋ソフトが「超天才」を作り出した?

 では、2人の強さの秘密は、どこにあるのか。「一つには、将棋ソフトの発達が大きいと思います。コンピュータは、人間が思いつかないような将棋を指すこともありますし。もともと詰将棋が得意だった藤井君は、これを活用することで、序盤と中盤でも隙のない将棋を指すようになりました」(前同)

 当然、羽生二冠もソフトを活用しているそうだが、記憶力の低下という現象には抗えないはず。しかし、「羽生二冠は、膨大な情報量の中から棋譜全体を瞬時に把握し、それに対応する策を閃く感性が並外れているんだと思います。もはや彼に記憶力の低下は関係ない。天才ですから」(同)

 天才棋士が100年に1人出るかどうかといわれる将棋界。ITが、同時期に2人の「超天才」の存在を可能にしたということか?

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