名門野球部「理不尽あるある」の画像
名門野球部「理不尽あるある」の画像

 手を挙げれば、すぐに「体罰だ!」と矢面に立たされてしまう昨今。だが、それが当たり前の時代があった。元球児たちは、「あの頃に二度と戻りたくない」と話すが、どこか楽しそうな顔をするのも事実。今ではありえないヤバくて面白い話を一挙、放出します!

■漫画『バトルスタディーズ』には酷い掟が!

 秋季大会で好成績を残した36校が出場した「第90回選抜高校野球大会」が閉幕。しかしそこには、とてつもない地獄があるのだ。野球名門校だったDL学園を舞台にした高校野球漫画『バトルスタディーズ』(講談社)には、寮生活や練習における理不尽な掟が描かれている。特に1年生は、まるでゴミのように扱われるのだが、その内容が素でエグい。上級生に使える言葉は基本的に「はい」と「いいえ」、笑顔禁止、1年生同士の私語は厳禁と、目を疑うような話ばかり。実際にありえるのかと半信半疑なところもあるが、PL学園出身で野球評論家の橋本清氏は当時を、こう振り返る。「確かに、そうでしたよ。1年生は虫けらで、3年生は天皇でしたね。寮のどこにいたとしても、先輩の声が聞こえたら返事をしないといけないんです。誰も返事をしないと、教育的指導が入る。正座させられたり、中腰のつらい状態を続けさせられたり。殴られることはなかったですね」

 PL学園以外にも、今センバツで優勝候補最右翼でもある大阪桐蔭は「携帯禁止」。楽しみは月に一度のコンビニ旅行という過酷な寮生活を送っている。漫画の内容は、決してフィクションではないのだ。そこで今回は、名門校のOBたちに、今だから話せる「理不尽な野球部時代」を総力取材。集まったのは、素でエグい話ばかりだ!

■水禁止!コンビニやマクドナルドの甘い飲み物は最高

 まずは、最近では見直されているが、ひと昔前までは当たり前だった「水禁止」。『バトルスタディーズ』でも、1年生は上級生の前で水を飲むことは禁止されていて、水たまりの上澄みをすくって飲むシーンが描かれているが、どうやって水分補給をするかは、多くの野球部員が頭を悩ませていたようだ。「雨が降った翌日は、わざと水たまりにダイビングしていた」(甲子園出場経験もある東京のS高校OB)という泥臭いものから、「グラウンドの隅のほうにペットボトルを埋めて隠れて飲んでいた」(愛知の古豪T高校OB)という頭を使ったものまで、さまざま。さらには、こんな話も。

「うちの高校の近くに利根川が流れていたので、ロードワークに行くときはガブガブ飲んでいた。上流のほうだったから大丈夫(笑)」(群馬のM工業OB) 「うちも利根川の水を飲んでいましたよ。だけど下流寄りだったから、M工業が羨ましかった」(群馬のM商業OB) まさかの利根川かぶり。

 中日で活躍し、西東京の日大三高OBの宮下昌己氏は、さらにエグい。「グラウンドにある外便所に行って、ウンコをするふりして水を流すんです。その流れてきた水を飲んでいましたね」と、なんと便所水。今では考えられない話だ。

 水がダメならジュースなんて、もってのほか。「1年生はジュース禁止。1年生しかいない場所に空き缶があると、誰が飲んだんや! ということで、また教育的指導でしたね」(前出の橋本氏)

 埼玉の名門A高校には、変わった掟があった。「学校の近くにコンビニがあって、そこにフローズンっていう凍らせた飲み物があったんですが、1年生は当然禁止。上級生になって初めて飲みましたが、めちゃくちゃうまかったなぁ」(A高校OB)

 甘い飲み物は、最高のご褒美のようだ。「3年の夏が終わり、人生初のマクドナルドに行ったんですが、そのときに飲んだバナナシェイクの味は、今でも忘れませんよ。試合で勝ったことより、あの瞬間のほうが記憶に残っています」(前出の宮下氏)

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