星野源
星野源

 NHKの連続テレビ小説半分、青い。』がスタートした。ヒロインの鈴愛(すずめ)を演じる永野芽郁(18)や佐藤健(29)などの出演で、放送開始前から注目を浴びていたが、視聴率も好調、上々の滑り出しとなっている。

 第1週では鈴愛が生まれる前、そして子ども時代が描かれた。4月7日、第6回の放送を振り返ってみよう。川をまたぐ糸電話プロジェクトを成功させたかにみえた鈴愛(矢崎由紗/8)と律(高村佳偉人/10)だったが、律は誤って川に落ちてしまう。律の体を心配した鈴愛は、律をおぶって家まで連れていくことに。律の母、和子(原田知世/50)は、川に落ちても律の喘息が悪化することはないと鈴愛たちに説明し、律を叱る。そして翌朝、和子は鈴愛の家を訪れ、鈴愛の母、晴(松雪泰子/45)と相対するのだった。

 第1週は、子役たちのかわいらしい演技に魅了されたが、松雪泰子、原田知世の母親対決もすてきで、これからが楽しみになった。それでも目下、世間の話題をさらっているのは星野源(37)が担当する主題歌だ。SNS上では「オープニングが好きすぎる!」「すてきな朝を迎えられる」と絶賛の声が上がっている。

 近年、朝ドラの主題歌は大物起用が相次いでいる。2016年上半期『とと姉ちゃん』は、宇多田ヒカル(35)。16年下半期『べっぴんさん』は、Mr.Children。17年上半期『ひよっこ』は桑田佳祐(62)で、17年下半期『わろてんか』が松たか子(40)と一流の面々だが、今回の星野源の抜擢も、ある意味で納得だ。というのは、星野とNHKの間には太いパイプがあるのだ。10年上半期の『ゲゲゲの女房』ではヒロイン布美枝(松下奈緒・33)の弟役を演じ、俳優としてのブレイクのきっかけとなった。以後も2016年の大河ドラマ真田丸』などNHKのドラマに数多く出演しているし、さらに『LIFE~人生に捧げるコント~』ではウッチャンナンチャン内村光良(53)と、長年にわたりコントを披露してきた。

星野源の歌詞が何かを示唆している?

 もちろん歌手としても評価されていて、『NHK紅白歌合戦』にも3度出場。昨年は音楽番組『SONGS』で、スペシャル版として星野は大々的に取り上げられている。俳優、タレント、ミュージシャンとそれぞれの分野において、NHKはこの日本一の人気者、星野源をしっかりフォローしてきたのだ。星野というマルチアーティストの名前を全国区に押し上げたのは、NHKだったと言っても言い過ぎではない。

 この期待に応えるべく、星野が朝ドラに提供した曲、『アイデア』は、「おはよう、世の中」という歌詞から始まるように、ストレートに“朝”を意識して作られている。朝ドラにこんな歌詞を書けた人は、これまでいなかった! 『映画ドラえもん のび太の宝島』の主題歌を『ドラえもん』というタイトルで発表し、その愛情たっぷりの歌詞が話題になったばかりだが、『アイデア』もまさに朝ドラ愛があふれた作品だ。誰が聞いても心地よいポップソングを送り出し続ける星野だが、歌詞センスも一級品なのだ。

 そんな『アイデア』の歌詞には、“雨”という言葉が多く登場している点も注目だ。第一話の冒頭も雨だったが、これからも雨のシーンがドラマにとってカギとなりそう。今後、星野の『アイデア』が劇中にどのように絡んでくるのかも、見逃せないポイントとなりそうだ。(半澤則吉)

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