■サイ・ヤング賞クラスのピッチャー

 また、こんな声もある。大谷がドラフトの目玉として騒がれた頃から、ソフトバンクの王貞治会長は大谷の打撃の才能を高く評価していた。「(二刀流ではなく)バッティング一本で行けば、僕のホームラン記録を破れるスラッガーになれる、と思うほど優れた素質」と語っていた王会長が、大谷のメジャー行きが決まった際、親しい人間に、「大谷はメジャーで、打者と投手、どちらのほうが成功するでしょう?」と聞かれ、「それは投手」と即答したというのだ。理由としては、「メジャーにはパワーヒッターがゴロゴロいる。勝ち抜くには、DHで8番はどうなのか。DHは主軸を打てる打者の定位置だと思う。一方、野茂から始まる日本人投手の成功は、コントロールのよさと落ちる系統の変化球の精度の高さゆえだ。大谷も……」と、投手への専念を示唆したという。

■田中将大や前田健太も落ちる変化球で成功

 確かに、ヤンキースの田中将大はスプリット、ドジャースの前田健太は縦のスライダーと、落ちる変化球で成功。大谷も140キロ台のフォークで、メジャーの打者から次々三振を奪っている。MLB専門誌『スラッガー』(日本スポーツ企画出版社)の久保田市郎氏も、こうコメントする。「大谷は、投手としては間違いなくサイ・ヤング賞クラスの投手と高く評価されています。投手と打者、両方そこそこだったら、むしろ二刀流で使いやすいんでしょうが、投手としてすごすぎて、かえって使いづらいということもあると思います」 続けて、「エンゼルスは優勝、プレーオフを目指すチーム。たとえばパドレスのようなチームなら、じっくり育てることもできるでしょうが、エンゼルスは育成に特化できないと思います」と語る。

 前出の福島氏は、今後の日程がカギだという。「大谷の真価が問われるのは、レッドソックス、アストロズ、ヤンキースという超強豪チームと対戦する4月中旬以降。ここで結果を残せるかがポイントでしょう」

 計算できる“投手・大谷”に専念させる可能性もあるということだ。「プレーオフ争いから脱落するわけにはいかないので、判断を下すのは早ければ6月下旬。二刀流のロマンを追い続けるのに残された時間は、それほど多くない」(民放スポーツ記者)

 迫りつつある運命の刻。大谷は、輝き続けることができるのか――。

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