■見た目が美しい!日本の城「ベスト3」
ゆま「なるほど~。少し知識があるだけで城の見方が変わってきますね。ちなみに“美しいお城”だと、どこがオススメですか?」
萩原「外観的な美しさでベスト3を挙げるとしたら、姫路城、松本城、金沢城あたりですね」
ゆま「姫路城は、ちょっとだけ見たことがあります。真っ白なお城ですよね」
萩原「はい。姫路城は3年前に修理工事があって、壁の漆喰を全面塗り直しして、瓦も全部葺き直しされました。ちなみに姫路城は、瓦と瓦のつなぎ目にも漆喰を塗っているんですね。だから、斜めから見ると黒い瓦も白く見えるんですね」
ゆま「へえー! すごい」
萩原「一方、松本城は姫路城と違って、“黒の天守”なんです。今、日本で唯一、黒漆が塗られている現存天守なので、これはこれでまた輝きがあるんですね」
ゆま「モダンなお城だ!」
萩原「そうですよね。ただ、お城は外観と違って、中は“ガタガタ”なんです。たとえば、姫路城は五重6階地下1階で、外から見れば5階建てだけど、中は7階あるんですよ」
ゆま「どうしてですか」
萩原「ある意味、欠陥建築なんですね。外観的な美しさを追求した結果、誤差が生じた。でも、お城がすごいのは外からは分からない“秘密の階”を射撃や監視の場にしているところ。日本の城はまさに美観と実用を兼ね備えているんです」
ゆま「城って賢い!」
萩原「日本人の知恵と美意識が詰まっていますね」
ゆま「写真を見ると、金沢城は石垣がすごい! デザインが芸術的ですね」
萩原「スタイリッシュですよね。金沢城は前田家が造ったんですが、前田家は戦国時代から織田信長、豊臣秀吉に仕えた名門。優れた石垣職人を多く抱えていたんですね」
ゆま「歴史を感じますね」
萩原「軍事的な要素の強い戦国時代の山城も面白い」
ゆま「オススメの山城ベスト3も教えてください!」(次回につづく)
萩原さちこ(はぎわらさちこ)
東京都出身。城郭ライター。小学校2年生のときに城に魅せられて以来の“城メグリスト”。『わくわく城めぐり ビギナーも楽しめる〈城旅〉34』『城めぐり手帖「現存天守編」~自分だけのトラベルノート』『今日から歩ける!超入門 山城へGO!』など、初心者にも分かりやすい著書が多くある。
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