最近のJRAは番組や斤量条件がどんどん変わるので、10年前のデータを今の予想に適用してしまっていいのかという躊躇はある。しかしそこを無理やり適用した場合、マイラーズカップで注意すべき点は以下の2つだ。

 1つは、4歳馬があまり強くないということである。この時期の古馬重賞は4、5歳が強くて6歳以上が弱いという構図になりやすく、その程度の大小によって6歳馬をどう取り入れていくかということになる。しかし、マイラーズカップは5歳馬が強い一方で4歳と6歳は同程度。7歳馬にもチャンスがある。

 もう1つは、前走レースの格が高ければよいというものではないということだ。休み明けや距離延長、ダートからの芝替わりが絡むせいもあるだろうが、過去10年の前走G1組は、[1・0・0・17]。一方でオープン特別組は[3・3・0・30]で、人気薄馬が来ているので回収率は単複ともプラスだ。馬券に絡んだ前走オープン特別組6頭のうち4頭は連対して来た馬だが、残り2頭は前走5着と6着。ひどい内容でない限り、「オープン特別でダメだったのにG2で好走できた」ということは起こりうる。

■エアスピネルが人気だが

 今回は○エアスピネルがかぶった人気になるかもしれない。5歳馬だし、「G1で2着はあって1着はない」というのは斤量面でも有利だ。昨年のこのレースでは2着。当時の勝ち馬はイスラボニータで今回はそこまで強い相手はいないので、確かに軸としては堅そうだ。ただ、験の悪い前走G1組(マイルCSからの休み明け)でもあるし、全肯定するというよりは別な切り口も示しておきたい。

 ◎はロジクライ。前走オープン特別勝ちの5歳馬。京都芝1600メートルはシンザン記念を制した舞台でもある。弱点は決め手不足で、極端に速い上がりは使えない。ただその代わり位置を取れるのが強みだ。今回最終的にどんなメンバーになってどんな展開になるか分からないが、スローになるようなら番手から自分でプレッシャーをかけることもできる。

 決め手だけの競馬になるようなら★ブラックムーンあたりの出番だが、○と★の組み合わせになると配当が安い。それよりは前走で◎の2着だった▲グァンチャーレに安定味を生かした競馬をしてほしい。

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