有働由美子アナウンサー
有働由美子アナウンサー

 アナウンス力、取材力、海外経験、知識、ユーモア、そして熟した色気。最強女子アナを巡る戦いが始まった。

「すでに二桁を超える芸能プロダクションが、水面下で獲得に動いているという話が伝わってきます」(芸能プロ幹部)

 3月いっぱいでNHKを電撃退局した、同局元アナウンサーの有働由美子(49)を巡る争奪戦が、熾烈を極めているという。「某大手事務所などは、数千万円から億に達する契約金を用意し、札束攻勢をかけてでも獲得せよと、現場に大号令をかけているといいます」(前同)

■『NHK紅白歌合戦』や『あさイチ』で名司会

 有働は、1991年にNHKに入局。初任地は地元の大阪だったが、4年目に東京アナウンス室に異動になると、『NHKニュース おはよう日本』のメインキャスターに就任。その後は、『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』『NHKニュース10』『スタジオパークからこんにちは』などを歴任。同局のエースアナとして不動の地位を確たるものとした。「大晦日の『NHK紅白歌合戦』では、01~03年に紅組司会を、12~15年は総合司会を務め、その華やかな衣装も見どころとなりましたね」(夕刊紙記者)

 その人気を国民的なものとしたのは、10年からスタートした朝の情報番組『あさイチ』での司会ぶり。「気取らず、飾らず、常に視聴者に寄り添った司会ぶりで、同時間帯の視聴率トップを独走。自身の“ワキ汗”や“更年期”の悩みなども話題にして、番組を大いに盛り上げた。視聴者からの共感と信頼は絶大でしたね」(前同)

■加藤綾子や水卜麻美アナもかなわない

 こうした仕事ぶりから今後の情報番組やバラエティ番組での活躍は間違いない。さらに、07年にはアナウンサー職のままアメリカ総局へ異動し、海外特派員としての経験もあるから、硬派な報道番組のメインキャスターも十分に務まるだろう。前出の芸能プロ幹部は言う。「有働さんはもはや女子アナの括りにあらずです。人気女子アナいえば、元フジのエースアナの加藤綾子や、日本テレビの水卜麻美アナが思い浮かびますが、彼女はそういう次元にいない。男性も含めて、現役のどのキャスターよりも実力、求心力ともに上でしょうし、それは、かつての古舘伊知郎よりも上。全盛期の久米宏級の評価をしていいのではないでしょうか」

■フリー女子アナ像を目指す

 そうなると気になるのは今後の去就だが、有働は退局にあたりNHKを通じて、「海外での現場取材や興味ある分野の勉強を自分のペースで時間をかけてしたいという思いが捨てきれず、組織を離れる決断をいたしました。今後、有働由美子という一ジャーナリストとしてNHKの番組に参加できるよう精進してまいります」とコメントしている。芸能評論家の三杉武氏は、こう分析する。「有働さんは、番組のMCやキャスターの座を奪い合う、従来のフリー女子アナたちのフィールドで勝負するのではなく、ジャーナリスト志向の新たなフリー女子アナ像を目指しているように見えます。湾岸戦争の映像を見て“人が行かないところに行って実情を伝えたい”と、記者志望でNHKに入った彼女は、もともとがジャーナリスト志向だったようですから、50歳を目前に、原点に立ち返り、新たな挑戦をと、勇気ある一歩を踏み出したんでしょう」

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