じゃんけんで勝つための完全無欠の「裏技」とは?の画像
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 じゃんけんが強い人ほど得をする。前回、前々回記事で「性格で分かるじゃんけんの手(https://taishu.jp/articles/-/59079)」や「WRS(世界じゃんけん協会)の教え(https://taishu.jp/articles/-/59080)」などを紹介したが、まだまだじゃんけんの勝率を上げる極意がある。

■データを頭に叩き込め! 統計的なアプローチこそ王道なり

 じゃんけんを学問的に極めたのが、桜美林大学の芳沢光雄教授(理学博士)。AKB48のメンバーに必勝法を伝授したことでも知られる彼は、科学的アプローチによりじゃんけんに“偏り”があることを発見した。

 以下、芳沢教授の著作『いかにして問題をとくか 実践活用編』(丸善出版)より、その貴重なデータを紹介しよう。

「のべ11567回のじゃんけんを行って、グーが4054回、パーが3849回、チョキが3664回でだった」(前掲書)

 これはWRSの調査とも合致する。人はグーをもっとも多く出し、続いてパー、チョキの順になるのだ。芳沢教授はタイマンではなく、3人以上でじゃんけんを行なった場合の統計調査も実施している。

「6,7人でじゃんけんを行うとき、最初に勝負が決まるのはグーとパーの2つに分かれたときが多い。グー、グー、グーとかパー、パー、パーとかチョキ、チョキ、チョキのように、同じ手を3回続ける人はしばしば見るが、同じ手を4回続ける人を見るのは1年に1回あるかないかぐらいである」(前同)

 これはあくまでも統計データであり、これを踏まえたからといって必ず勝利することはできないが、勝率が上がることだけは間違いないだろう。

■完全無欠の裏技を発見! これが唯一無二の常勝じゃんけんだ!

 賢明な読者なら分かると思うが、残念ながらじゃんけんの勝率を上げる方法はあっても、必勝(絶対に勝つ)方法は存在しない。ただ実は、訓練次第では必勝を実現できる。

じゃんけんにおける唯一の必勝法は「相手が出す手が分かる」こと。これは延いては「相手が出す手が確定してから、自分の手を出す」になる。つまりご存知「後出し」である。そう、「後出しじゃんけん」こそ最強なのだ。

ただ、後出しは反則。物言いがついてしまっては成立しない。そこで、じゃんけん動作に入り相手が手を作る瞬間に、0.2秒程度で相手の出す手を見極める技術の習得が必要となる。それにはグーを出す手の動き、パーを出す手の動きといった具合に、それぞれの違いを発見し見極める必要がある。これは訓練次第で習得可能で、世界には後出しじゃんけんの達人がいるらしい。

■相手がグーを3回続けて出した後、またグーを出す確率は?

 相手が3回連続でグーを出してきたとする。自分もたまたま3回続けてグーを出していたためあいこに。懲りずに次も相手がグーを出してくる確率はどのくらいだろう。

「きっと、かなり低いのでは?」と考えた読者は引っ掛け問題に引っ掛かったクチ。答えは「3分の1」である。じゃんけんは心理ゲームでもあるが、表面的には三すくみがルール。したがって、どんな場合でも特定の手を相手が出してくる確率は等しく「3分の1」になるのだ。 
 
これは赤黒でかけるカジノのルーレットを考えれば分かりやすい。あなたがルーレットに賭けようとゲームを見ていたら、5回も続けて赤が出ていたとする。あなたは「さすがに次も赤はないな」と考え、黒にチップを賭けるのではないだろうか? これは実は科学的根拠はまったくない。赤が何度続こうと次に赤が出る確率は等しく「2分の1」だからだ(厳密には「00」があるので2分の1にはならないが)。ゲームは人間がプレイするものだけに、心理やゲン担ぎが持ち込まれるが、確率論的にはそんなものはいっさい関係ないのだ。

いろんな場面で使えそうな、勝率を上げるじゃんけんの極意。いざというときのために覚えておいてソンはなさそうだ。

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