■森喜朗元首相が怪しい動き

 一方、今年3月に入り、森元首相がこの神宮外苑地区で怪しい動きをしていたことも明らかになっている。「共産党都議団が、都の文書開示請求で入手した資料をもとに追及している問題です。東京五輪招致が決まる前の12年5月、当時の東京都副知事と技監が森元首相に呼ばれ、衆議院議員会館で面談したんですが、その際、五輪招致にかこつけ、岸記念体育会館の移転を要望されたんです」(前同)

 同体育会館には当時、森氏が会長を務め、現在も最高顧問の座にある日本体育協会(日本スポーツ協会に改称)や、関係の深い日本オリンピック委員会(JOC)の事務局が入居する。「その後、要望通りに、岸記念体育会館は霞ヶ丘団地跡地の東端に移転することが決定。しかも東京都は、現会館敷地を94億円で買い取り、移転補償29億円もつける予算を計上しました。おまけに、同地の高さ制限を15メートルから80メートルに大幅緩和。すでに昨年7月から、地上14階(高さは63.7メートル)、地下1階の建設工事が始まっています」(同)

 だが森氏は、当初は移転せずに、老朽化した岸記念体育会館の建て替えのみを行おうとしていた。「元の場所は財務省管轄の土地でしたが、建て替え案が“地上5階建てだった岸体育会館を14階建てにして、テナントが入れるようにする”というものだったため、許可が下りませんでした。非営利団体が営利活動をしてはダメだからという理由です」(同)

 一度は頓挫した計画が一転、実現へ。都への働きかけで見事、利権を手中に収めたということか――。この件を都議会で追及する曽根はじめ都議が言う。「入手した4点の文書の中には、都の技監が自民党控室に出向いて、当時は落選中だった萩生田光一代議士と、国立競技場の建て替えについて情報交換しているものもあります。“森元首相の代理で”です。また、副知事ら幹部の議事メモの中には、“都議会のドン”と呼ばれた内田茂顧問も出てきました。共産党都議団としては今後、岸記念体育会館にまつわる予算案の凍結、それに森元首相ら政治家の関与をハッキリさせていくつもりです」

 都営霞ヶ丘団地の跡地では、移転する岸記念体育会館の工事が進むが、大半は更地のまま。今後、マンションやテナントビルが誘致され、その利権に政治家らが群がるのでは――という疑念も残る。ただし、東京都都営住宅経営部に確認したところ、「跡地は公園にすることが決まっています」という回答が返ってきた。

 だが、こうした利権絡みの問題は氷山の一角。「今後、森さんが都議会で徹底追及を受けることになれば、岸記念体育会館移転を中止することもありえます」(前出の関係者)

 ここで浮上するのが前述の“霞ヶ丘団地跡地にサブトラック常設”案だという。「岸記念体育会館移転が中止になるのなら、せめて秩父宮ラグビー場を救出するという悲願だけは通したい。そのためにはサブトラックを常設にする必要が出てきます。そもそも、サッカー協会に負けたままでは面白くないでしょうし」(前同)

 すると、現在の建設計画がまた振り出しへ……。「サブトラックの完成が本当にギリギリまで延びることもありえます」(同)

 一方、小池百合子都知事への疑念も浮上する。「小池さんは都知事に立候補した16年、新国立競技場建設に都が395億円援助する以上、防災拠点としても活用すると主張しましたが、その後、めぼしい具体策を出していません。また、仮設サブトラックにも否定的でした。ところが、仮設案を受け入れ、あげく、森元首相の関わる岸記念体育会館の予算案も承認。何か手打ちでもしたんでしょうか……」(都政担当記者)

 これ以上、庶民の血税を浪費することは断じて許されない。

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