■チャンポンや安酒は悪酔いの原因

 飲んべえであれば、「チャンポンにすると酔いやすい」「焼酎は二日酔いしない」「安い酒は悪酔いする」という話を聞いたことがあるはずだが、実は、これは全部ホントのこと。“チャンポン”がいけないのは、どれだけ飲んだか分からなくなって、結果的に飲み過ぎてしまうから。焼酎が悪酔いしないのは、焼酎が蒸留酒で、アルコール類がエタノールの1種類しか入っていないからだ。これに対して日本酒やワインなどの醸造酒は数種類のアルコール類が入っている。同じアルコール量なら、1種類だけのほうが肝臓は楽に分解できる。

“安い酒”も、これと同じ理由。安価な酒類は複数のアルコールを混ぜてあることが多く、これが悪酔いの原因になる。

 胃壁に“膜”を作る牛乳を飲酒前に飲む――よく耳にする、この悪酔い対策はどうか?「確かに、牛乳は胃壁に膜を作りますが、アルコール分子は、その膜の隙間を通るほど小さいため、吸収に影響はありません。一方で、牛乳には肝機能を向上させたり、アルコール代謝を早める作用がある。やって損はない対策と言えます」(医療ジャーナリスト)

 酒好きな人の中には、「オレは酒を飲んでも乱れない。だから肝臓が強い」と自慢する人、逆に「酒を飲むとすぐレロレロになる。肝臓が弱い」という人がいるが、これは“ウソ”である。「酒を飲んで“酔う”ことは、アルコールに対する脳の中枢神経の問題なんです。酒に酔わないから肝臓も強いはず、と無茶な飲み方をすると、アルコール性肝炎になります」(野村院長)

■禁煙ブームは魔女狩り!?

 さて、「百薬の長」という賛辞(?)もある酒に対し、「百害あって一利なし」とコキ下ろされるたばこ。肺がんになりやすく、副流煙で周りの人も肺がんにさせる――こう信じられているのだが、「今の禁煙ブームは魔女狩りに似ている」と真っ向から異議を唱える人がいる。中部大学総合工学研究所の武田邦彦・特任教授(工学博士)だ。「たばこを吸うと肺がんのリスクが高くなるといわれてますが、喫煙率は、この50年で急減しているのに、肺がんは逆に他のがんと比べても増えています。この数字だけ見てもおかしいんです。さらに統計を子細に見ると“喫煙者が肺がんになるのは1000人に1人だが、非喫煙者もまた1000人に1人が肺がんになる”という、おかしなことになってしまうのです」

 もっとおかしいのは、副流煙や受動喫煙だという。「副流煙で肺がんになるというのは国立がん研究センターから発表された平山論文が元になっています。ところが、論文を科学的に精査すると、故意にデータを改変したとしか言いようがないほどデタラメなのです。このデータについては、海外の研究者からも批判を浴びています」(前同)

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