■セロトニンはうつ病や認知症の改善にプラス

 この肺がんはともかく、肺気腫や血圧上昇などによる動脈硬化のリスクは、科学的に検証されている。武田教授が“魔女狩り”というのは、たばこのプラス面をまったく考慮せず“たばこは何がなんでも悪い”という風潮になっているからだという。「たばこには気持ちを落ち着かせ、集中力を高めるといった精神作用があります。実際、ニコチンには気持ちを落ち着かせるセロトニンや、意欲や、やる気を喚起するドーパミンなどの神経伝達物質の働きを補う作用があります」(同)

 セロトニンは、うつ病治療薬に使われていて、ヤル気や気持ちを高めることが認知症の改善にプラスに働くことが分かっている。「ストレス社会や高齢化社会では、たばこによって救われる人もいると思うんですね。こうしたプラス面も、しっかり考慮すべきだと思います」(同)

 最近はより煙の少ない電子たばこに乗り換える人も少なくないが、実は、この電子たばこも「従来のたばこと比べて副流煙の問題が少ない」という証明は確立されていないという。つまり、電子たばこだから副流煙の害がないというのもウソということになる。

 最近の健康ブームで押されがちな“男の嗜好品”だが、正しい情報を持って楽しんでいただきたい!

【「酒」こぼれ話】

 酒に目薬を入れると、“睡眠薬”に早変わりするといわれるが、これは、昔の目薬にロートエキスという神経麻痺成分が配合されていたことが由来。最近の目薬にはこの成分は入っていないそうだ。

【「たばこ」副流煙話】

「たばこをやめると太る」はどうか。実際、ニコチンには脈拍数や血圧の上昇効果があるが、一方で、禁煙は味覚を良くする。食事がおいしくなれば食べ過ぎるのが人の常。これが原因のようだ。

【悪酔い防止には揚げ物がいい!】

 悪酔いを防ぐには、どうすべきか。そのヒントは胃と小腸にある。アルコールは、胃で5%、小腸で95%吸収される。そのため、胃でのアルコール滞留時間を長くし、いかに小腸へ送る時間を遅くするかがカギになる。胃での滞留時間は、米飯で2時間15分なのに対し、ビーフステーキは3時間15分程度。油が最も長く滞留し、バター(50グラム)は12時間もかかる。これは消化管ホルモンが働き、胃の出口となる幽門を閉め、胃の中を撹拌する働きがあるから。意外にも、揚げ物こそが悪酔い対策の最有力候補なのだ。

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