4度目の戴冠を狙ったクラシック第1弾「皐月賞」は、もやもやだけが残る結果(9着)に終わってしまいました。出走していれば、断然1番人気だったはずの無敗の2歳王者ダノンプレミアムが挫跖のために回避。どの馬にもチャンスがある混戦ムードの中、僕のジャンダルムはここに来て調子が急上昇。最終追い切りでも、ゴーサインを出そうとした瞬間に馬が反応してくれるなど、これまで僕が乗った中では明らかに一番いい動きで、これなら、勝ち負けになる。と、密かに一発を狙っていただけに、結果にもレース内容にも、悔いが残っています。

■秋の天皇賞で出遅れたキタサンブラック

 敗因は2つ。1つ目は、ジャンプするようにしてゲートを出てしまったスタートです。前半は前目につけ、最後の直線では、傷んだ内側を避け、早めに真ん中から外目に持ち出し、そのまま押し切る――。勝ったエポカドーロの競馬が理想でしたが、スタートで後手を踏んでしまいました。思った通りにいかないのが競馬の難しいところですが……それでも、う~んという感じです。

 2つ目は、稍重で荒れたタフな馬場への適性です。出負けした後、最初のコーナーで距離ロスのないインへ。最終コーナーで再びインを突き、そこから馬場のいい外側へ持ちだそうと考えていたのです。

――どうです!? 思い出しませんか? そうです。昨年の秋の天皇賞……スタートで出遅れたキタサンブラックと同じ競馬です。違っていたのは、キタサンブラックが道悪をそれほど気にしていなかったのに対して、ジャンダルムは稍重の馬場が上手じゃなくて……。ここからが勝負どころというときには、もう馬にその力は残っていませんでした。競馬に限らず、やはり勝負事では、先に先に動き、余裕を持ったほうが圧倒的に有利。一度後手に回ってしまうと、それを跳ね返すのはなかなか難しいですね。

 ただし、この負けは、負けとしてきちんと受け止めつつも、いつまでもだらだらと引きずらないことも大切です。大きく深呼吸した後は、心機一転――競馬に臨みます。

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