■松井秀喜やイチローはメジャーリーグでも活躍

 そして、90年代から現在に至るまで、巨人軍最後にして最強のホームランバッターが松井秀喜だろう。長嶋監督が松井に惚れ込み、入団後にマンツーマンで打撃指導。後に巨人、そしてメジャーリーグで花開く彼の基礎を作った。「ヤンキース本拠地デビュー戦での初打席満塁弾と、ケガと不振に苦しんだ09年のワールドシリーズで13打数8安打、3本塁打、8打点を挙げ、満場の観客から“MVP”コールがとどろいた瞬間は忘れられません。本当に劇的な選手でしたね」(松井と同郷の会社員)

 松井より2年早くメジャーに渡ったのが天才・イチローだ。メジャーでも10年連続200安打などの大記録を打ち立て、日米の通算安打記録を更新。すでにMLBでも伝説のプレーヤーであり、引退後の殿堂入りは確実といわれている。「昔は、いけすかないと思ってたこともあるんだけどね。あくまでも現役にこだわる姿は、今じゃ、応援する気持ちしかないよ」(イチローと同い年の週刊誌記者)

 現在、メジャー移籍に最も近いといわれているのは、横浜DeNAの筒香嘉智。「ファンとしては困るけど、侍ジャパン不動の4番として、海を渡ってほしい気持ちもあるね」(横浜ファン)

■通算400勝ピッチャー、金田正一

 さて、ここからは投手編。日本プロ野球史上、最も勝利数の多い投手は、通算400勝の金田正一だ。「ダブルヘッダーの昼を投げた後、夜も投げて勝ち星を稼いだという逸話があります」(ベテラン野球記者)

「神様、仏様、稲尾様」と崇められたのは、西鉄ライオンズのエース・稲尾和久。「58年の巨人との日本シリーズで、稲尾は7試合中6試合に登板し、0勝3敗と負けていたのを一人でひっくり返しました」(前同)

 投手の肩を最優先に考える今では考えられないが、この豪快さも、昔のプロ野球ならではだろう。稲尾は当時のシーズン奪三振記録353を持っていたが、これを超えたのが、阪神時代の江夏豊。68年のシーズン奪三振401は、いまだに日本記録だ。「広島に行って“技巧派”とかいわれたけどな、やっぱ阪神時代、オールスターで9連続奪三振の頃が一番、見ててしびれたで。特に、王との対戦は“絶対に三振取る”ちゅう気概を感じたなぁ」(前出の阪神ファン)

 江夏の記録に続く、オールスター8連続奪三振記録の持ち主が巨人の江川卓。「“空白の一日”といわれた強引な巨人入りで物議を醸しましたが、才能は本物。王監督のシーズン本塁打記録を塗り替える勢いのバースを他の投手が敬遠する中、真っ向勝負を挑む男気もありました」(専門誌記者)

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