■明石家さんまは離婚、借金を糧に

 もっとストレートに笑いで逆境をはねのけたのは、さんまだろう。昨年8月発表の「タレントイメージ調査」(ビデオリサーチ)で、1位に返り咲き、その根強い人気ぶりを証明したが、そんなさんまも、実は窮地に追い込まれたことがある。「89年、自身を国民的スターに押し上げた『オレたちひょうきん族』が終了すると、ダウンタウンウッチャンナンチャンの台頭もあり、5年連続1位だったNHKの好きなタレント調査でトップ陥落。人気にかげりが見え、レギュラー番組は2本にまで激減しました」(テレビ誌記者)

 そんなさんまが息を吹き返すのは92年。88年に結婚した女優・大竹しのぶとの離婚がきっかけだった。「離婚にあたり、バブルまっただ中に購入した豪邸を売却した結果、なんと5億円もの借金を抱えることに。“死ぬか、しゃべるかの二択を迫られて、声が出なくなる夢を何回も見た”というほど、追い込まれたんです。もちろん、さんまが選んだのは“しゃべる”でした」(前同)

 さんまは、92年には『さんまのからくりTV』(TBS系)、94年には『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系)をスタート。「88年スタートの『あっぱれさんま大先生』(フジテレビ系)での子どもたちとのトークに手応えを感じていたさんまは、『からくり』や『から騒ぎ』で、女優や歌手、一般女性といった“笑いの素人”をイジって面白さを引き出す、新たな笑いのスタイルを確立。95年には、『好きなタレント調査』の1位に6年ぶりに返り咲き、見事に復活を遂げました」(放送作家)

 以降の活躍は、説明の必要もないだろう。

■タモリは『笑っていいとも!』終了が大チャンスに!?

 では、タモリはどうか? 実に31年半にもわたって“お昼のリーダー”として君臨してきたタモリに、ピンチらしいピンチは記憶にないが、14年3月の『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の終了は、初めてのピンチだったのではないだろうか。「年齢的なこともあり、ヒマになって一気に老け込むのではともささやかれ、事実上の引退になるのではないかという見方も浮上していました」(芸能記者)

 ところが、『いいとも!』終了から半年後の同10月に『ヨルタモリ』(フジテレビ系)をスタートさせると、番組内のショートコントで、本来の“密室芸人”としての芸達者ぶりをいかんなく発揮。存在感を見せつけ、高視聴率を連発した。「また、『いいとも!』が終わったことで、日本全国へのロケが可能になった、『ブラタモリ』(NHK)では、専門家や地元民も驚く博識ぶりが、さらに炸裂。現在、平均15%もの視聴率を叩きだす超人気番組に成長させました」(同前)

 前出の城下氏は、そんなタモリについて、こう話す。「ジャズに精通し、トランペット奏者として知られるタモリさんは、決まり切った進行の中での番組よりも、ご自身の趣味や興味のある分野で、その道の専門家たちと自由にセッションさせてこそ、魅力が光る人。『いいとも!』が終わったことで、それが可能になったんですから、番組終了は、ピンチではなく大チャンスだったんでしょう」

 BIG3の時代は、まだ当分、続きそうだ。

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