プロ野球OBたちが語る「超プロ野球級」の選手たちの画像
プロ野球OBたちが語る「超プロ野球級」の選手たちの画像

 プロ野球が始まって80年以上、数多くの選手たちが華々しいプレーで我々を魅了してきた。一握りしか立てないプロの世界の中で、さらに頂点に立つ“超プロ野球級選手”とは、どれほどまでのレベルに達していたのだろうか――。

 今年の1月8日に放送された『プロ野球総選挙』(テレビ朝日系)。野球ファン1万人が「本当にスゴい」と思う選手を投票し、順位を発表するというものだ。野手部門は、1位だったのがイチロー(マリナーズ)で、2位が“世界のホームラン王”王貞治(元巨人)、3位が“ミスター”長嶋茂雄(元巨人)というスーパースターが並び、4位大谷翔平(エンゼルス)、5位松井秀喜(元ヤンキースなど)、6位落合博満(元中日など)と、さまざまなタイプの野手がランクインした。投手部門では、大谷が1位、“メジャー挑戦のパイオニア”野茂英雄(元ドジャースなど)が2位、“神様仏様稲尾様”の稲尾和久(元西鉄)が3位、400勝投手の金田正一(元巨人など)が4位、田中将大(ヤンキース)が5位に入った。

 錚々たる面々がズラリと並ぶこの結果を受け、本誌は「元プロ野球選手に聞いたら、どんな名前が挙がるのか」、OBたちに徹底取材。“超高校級”ならぬ“超プロ野球級”の選手は、いったい誰だ!?

■元中日ドラゴンズのレジェンドが激白

 まずは、その中に十分入ってきそうな山本昌氏(元中日)。50歳まで現役を続けたレジェンドは、誰を挙げるのか。「近藤真市(登録名は真一)ですね。僕が入団4年目に5球団競合の末に中日にドラフト1位で入団してきたのが、彼だったんです」

 近藤は、享栄高校(愛知)で春夏連続甲子園に出場。140キロ中盤の速球と大きなカーブで、「10年に一人の逸材」と騒がれた。「その近藤がプロ初登板の巨人戦でノーヒットノーランを演じてしまうんです。これはビックリしましたね。その当時、僕は4年間で1勝も挙げられていませんでしたし、疲労骨折をしていたんです。同じサウスポーで、しかも年下の新人が大活躍する姿を見て、クビを覚悟しましたね」

 だが、山本氏は翌年に野球留学で渡米。スクリューボールを覚えたことを機に、その後29年間で219勝を挙げるまでとなった。近藤は通算12勝だったのだから、プロの世界は分からないものだ。

 その山本と中日でチームメイトだった山崎武司氏。本塁打王2回、バルビーノ・ガルベスと乱闘騒ぎを起こすなど、記録にも記憶にも残る男を諦めさせたのは――。「中村武志さんかな。年齢も近く、キャッチャーとしての能力は絶対に敵わないと思いました。中村さんがいたし、自信があったバッティングを生かすため、“早くキャッチャー辞めさせてくれないかな”と心の中で願っていました。結果的にキャッチャーを辞めた後に、活躍することができたので、中村さんに諦めさせられて良かったと思っています」

 その2人より少し前の時代に、中日の内野手として活躍していた田野倉利男氏は、打席で、とてつもない直球を見たという。「やっぱり、すごかったのは江夏(豊)さんですね。阪神にいたんですけど、3つ振っても、まったく当たらなかったですよ。ボールのキレと速さが備わっているというか、あんな球質は見たことない。江川卓とも対戦したことありますけど、江川とも全然違う。あとは平松(政次)さんのカミソリシュート。普通はシンカー気味に落ちるんだけど、平松さんのは横に滑りながら食い込んでくるんです。打ってもボテボテのサードゴロでしたね」

 江夏206勝、平松201勝。さすが200勝投手は伊達じゃない。

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