■埼玉県や愛知県はストレスが少ない県民性

 男性の健康長寿2位の埼玉は野菜消費量5位、果物6位と、かなり健康的な食生活をしている。これに加え、ストレスが少ない県民性もプラスに作用している。「埼玉県は社長の数が日本一少ないんです。リーダーシップや上昇志向があまりなく、のんびりした性格の人が多いのです。その分、仕事のストレスが少なく健康寿命につながっているのでしょう」(前出の矢野氏)

 ちなみに、長寿者の聞き取り調査では「あまり小さなことにこだわらず、なんでも食べる」という人が多い。埼玉県民はまさに、この長寿者タイプなのである。

 男性の健康寿命3位の愛知は女性が1位で、ここ3回の調査でも男女ともトップ3にランクされている。「愛知は山海の食材に恵まれ、トヨタ自動車のおかげで経済的にも豊かなため、県民は東京や大阪などに出て行く必要がありません。親にとっては、子どもが地元にいてくれる良い環境と言えます」(矢野氏)

 また、名古屋は1人当たりの喫茶店数が多く、独特の“喫茶店文化”がある。「友達などと会って話す場所があるんですね。たわいのないおしゃべりでストレスを発散していることも、健康寿命も延ばしている要因でしょう」(前同)

 これらトップ組から学べる健康寿命の延ばし方は、人との交流を密にすること。そしてストレスを抱えないことと言えそうだ。

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