袋麺でもお馴染みの『サッポロ一番 塩ラーメン』には、ワサビをチョイ足し。「もともと、塩ラーメンは口当たりが良くてマイルドな味つけなんですね。だから、だんだん物足りなさを感じる方も多い。そこでワサビを足すことで、爽やかな風味が加わり、最後の汁まで飽きずに味わえますよ」

 一方、『サッポロ一番 しょうゆラーメン』や『マルちゃん正麺 醤油』など、しょうゆラーメンには梅干しを加えると激ウマ!「和の酸味が、しょうゆラーメンのとがった味をまろやかにしてくれるんです。食べてみると分かりますが、どこか懐かしい感じの味になりますよ」

 そして、最も意外なチョイ足しはコレ。『日清カップヌードル カレー味』のおいしさを10倍にするのが、ズバリ八丁味噌だという。「名古屋飯には欠かせない八丁味噌。大豆麹で作られた八丁味噌とカレー味がマッチすると、カレーが和風の味わいになるんですね。これは、ぜひ試してもらいたい。八丁味噌がなければ、豆味噌でも構いません」

 このように普段食べているカップラーメンに何か一つ加えるだけで、また違ったうま味を楽しめるのだ。

■製造メーカーによって特徴が違う

 さらにカップラーメンは製造するメーカーによって、それぞれ特徴が違うという。「最も老舗の日清は、まさにカップラーメンのパイオニア的な存在。常に飽くなきチャレンジ精神で、新商品を打ち出してきます。その分、当たり外れも大きいんですけどね」

 新しい技術を常に投入したことも忘れてはならない。「特に1992年に発売された『ラ王』は革新的でした。カップ麺の世界に生麺を持ち込んだ功績は、非常に大きいと思います」

 一方、『マルちゃん正麺』や『緑のたぬき・赤いきつね』シリーズでお馴染みの東洋水産は、当たり外れが少なく、着実においしいカップ麺を作ってくる。「地味と言えば地味なんですが、ホスピタリティに溢れた優しいメーカーですね。基本的に年齢層が高めの方でも食べられるカップ麺を作っており、『マルちゃん正麺』なども、吸引力が弱くなった老人の方でも食べられるように、細めの麺にしているんです」

 健康にこだわるカップラーメンを作り続けているのが、エースコックだ。「ラーメンにヘルシーを持ち込んだメーカーですね。代表的なのが1983年に発売された『わかめラーメン』。これによってカップラーメンを食べる女性が増えたのは間違いありません。現在も『スープ春雨』しかり、ローラさんがCMに出ている『モッチッチ』を見ても分かる通り、女性向けにカロリー抑え目の健康志向を重視していますね」

 ファミリー層をしっかりと押さえているのが、『サッポロ一番』シリーズで知られるサンヨー食品だ。「とにかくスーパー向けのカップ麺が多い。子どもに人気の『ポケモンヌードル』など、キャラ物もよく発売していますね。ヒット商品『和ラー』なんかも和風を好む年配層向けの商品です」

 こうした知識も持ったうえでカップラーメンを食べるとツウの気分にもなる?

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