■一般市民も標的に

 その標的になりうるのは、我々のような犯罪とは無縁の一般市民とて例外ではないのだ。「住所、氏名、年齢に家族構成、銀行口座、カード情報……といった個人情報は、日常の中でセキュリティの弱いサイトにアクセスすれば、そこに潜んだプログラムに容易に抜き取られます。そうでなくても、個人情報を登録している楽天やカード会社などは常に狙われている。私たちの個人情報も、すでに闇ウェブを漂っていると思ったほうがよいでしょう」(前出のセキュリティ企業社員)

 こうした個人情報はハッカーに売られ、闇市場での非合法な取引のアカウントにされたり、裏カジノへのログイン、ネット上のストーキングなど、さまざまに利用される。ある日突然、思ってもみなかったような実害が生じることもあるのだ。「とにかく、ネットのセキュリティには十分、気を配ってくださいとしか言いようがないです」(前同)

■興味本位の閲覧は絶対NG

 ここまで読んで「自分も、どんなものか、闇ウェブを見てみたい」と思った読者諸兄もいることと思うが、それだけは絶対にやめたほうがいいというのが、今回、話を伺ったすべての識者の一致した意見だ。「私が捜査の過程で一度見たのは、“人体実験の記録”と銘打って阿鼻叫喚の動画がアップされた、あまりにおぞましいサイトでした。多くの人には精神的にきついと思います」(某県警捜査員)

「安全面でもやめてください。うちの技術者が興味本位で闇ウェブにアクセスしたところ、トップ画面がすぐに“パソコンを見ている自分の動画”に切り替わり、“君はブライアンだね。住所は……ああ、セタガヤか”など、リアルタイムで自分の情報が。恐ろしくてモニターを破壊しそうになったそうです」(セキュリティ企業社員)

 多くの捜査関係者の努力もむなしく、今も闇ウェブは倍々ゲームで増えている。「日本語サイトはまだ少数ですが、今後、爆発的に増えるでしょう。我々に、もはや“安全”は存在しないのかもしれません」(前同)

 この世の悪の見本市、闇ウェブ。人類は、インターネットの利便性と引き換えに、恐ろしいものを手にしてしまったのかもしれない。

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