私の大好きなバンドマンは、白いごはんが大好物である。

 気を抜くと太りやすいタイプだから、ビジュアル系としては心配だ。でも、好きな人には好きなものをお腹いっぱい食べて、しあわせに生きてほしい。基本的には、そう思っている。だが、あいにく……白米は体に良い食品とは言えない。

 おちゃわんに盛られた炊きたての白いごはんは、しあわせの象徴のようなルックスをしている。それを掻き込む彼を止めるなんてこと、私にはできっこない。むしろ、わんこそばのように永久にお代わりをあげたい。でも、それは彼の健康を脅かす悪行なのだ。

 白米の摂取は糖尿病のリスクを高める。これはもう、さまざまな検証により科学的に証明されている事実らしい。なにしろ『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(津川友介著/東洋経済新報社)という本に書いてある。このタイトルで科学的に証明されていないことが書いてあったら、大問題だと思わないか。

 あの麗しきバンドマンが、糖尿病に……。

 この恋が叶わぬのなら、せめて私は彼より先に死にたい。死なせてくれ。私の健康などどうでもいいが、彼の主食だけは、どうにかして白米から玄米に切り替えたい。

 そう、同じ米でも、玄米は「体によい」。すごく当たり前っぽく聞こえるが、そうじゃない。よく聞いてくれ。玄米ってなんかお洒落でヘルシー気分……程度の話ではない。玄米などの茶色い炭水化物は、積極的に摂ることで脂肪率、ひいては死亡率まで下げることが、数々の信頼できる研究により報告されているのだ。

 ねぇ、お願いだから、私より先に死なないで。

 もし、それほどかけがえのない人がいるのなら『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』を読み、正しい知識で可能な限りその方のお食事を長生きできる方向へコントロールして差し上げるとよい。

 一緒にお食事をしてもらえない私にできることは、この本を玄米とセットにしてスタッフにお預けするくらいしかないのだが。

『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(津川友介著/東洋経済新報社)

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