■小泉進次郎筆頭副幹事長は台風の目

“岸破聖太郎”以外では、まず、この人の名が挙がる。読売新聞が9月の総裁選に絡めて「次の総裁(首相)には誰がふさわしいか」と、世論調査で国民に回答を求めたところ、堂々の1位に輝いたのが小泉進次郎筆頭副幹事長(37)だ。曾祖父は衆院副議長、祖父は防衛庁長官、そして父の純一郎氏は首相。当選4回ながら、“血統書つき”のプリンスだ。辛口コメントで鳴る古賀氏も、「ポテンシャルは高いですね。まず、国民へ語りかけられる人。これはリーダーに求められる資質の一つ。しかも彼は耳触りのいい話ばかりではなく、しっかりと痛みを伴う話もできる。官僚を集めて積極的に勉強していますし、小泉さんのためなら、ぜひ手伝いたいという官僚もいます。これが彼の強みですね。ただし、やはり彼も世襲議員。苦労知らずのお坊ちゃんです。旬を逃すと、他の世襲議員と同じに見られてしまうかもしれません」

 毛並みの良さが逆に欠点となるくらいしか、マイナス面が見当たらないわけだ。だが、徹底的に身体検査すると、進次郎氏とて男。しかも独身で、あれだけの甘いマスクの持ち主だ。「過去にいくつか、女性問題が報じられています。赤坂の議員宿舎に美女を連れ込んだり、彼が大臣政務官だった時代に知り合った復興庁元職員の女性と深夜、ホテルのダブルルームで2時間ほど密会したりしたこともあります」(前出の夕刊紙記者)

 小泉氏は“次の次の総裁候補”といわれるが、「政治の方向性が同じ石破氏の支持を表明したら、石破氏は弱点の国会議員票を一気にカバーできます」(前出の鈴木氏) 小泉氏は次の総裁選の台風の目になりそうだ。

■政治資金が潤沢な竹下亘総務会長

 もう一人、にわかに注目され始めたのが、さる4月19日の派閥総会で新会長に選ばれた竹下亘総務会長(71)だ。これで、兄・登元首相が旗揚げした旧経世会が四半世紀ぶりに“竹下派”へと復活を遂げたことになる。その亘氏はNHKの記者出身。兄・登氏の秘書を経て、その地盤を受け継ぎ、7回の当選を果たしている。「竹下登元首相は抜群の資金力を誇り、亘氏も政治資金は潤沢です。財務副大臣に就任した際には、脱税疑惑が噂されたほどです」(前出の政治部記者)

 総裁の条件である“ヒトとカネ”のうち「資金力」は申し分ない。しかし、にわかに総裁候補として注目されているものの、本人にヤル気はないという。「老獪な政治手腕がある一方、年齢的な問題があります。彼は、派内の総裁候補である小渕優子元経産相へバトンタッチすることが、自分の役目だと思っているんでしょう。ただ、次の総裁選では幹事長などのポストを提示され、各陣営からのラブコールが殺到することも予想されます」(前出の角谷氏) 竹下氏も小泉氏と同じく、確実に台風の目になるというのだ。

■安倍晋三首相は非常に危険

 さて、これで6人。7人目の「ポスト安倍」は他ならぬ安倍首相本人。かつて二階俊博幹事長は「安倍の次は安倍」とも豪語している。さらに、前述した読売新聞の調査では小泉氏には敗れたものの、3位の石破氏を抑え、いまだ「首相にしたい」ナンバー2の好位置をキープしている。その安倍首相続投論について、古賀氏はこう危惧している。「(相次ぐ政府の不祥事にも)安倍さんは、自分は悪くないと思っているはずですよ。マスコミが勝手に騒ぎ立てて叩いているだけだと。そんな安倍さんが気にするのは世論の支持。だから、安倍さんは支持率を上げるためのパフォーマンスに邁進するでしょう。今回の日米首脳会談は完全に失敗でしたが、また近く予定される日ロ首脳会談でも支持率上昇を狙っています。中身はどうでもよく、このままでは国益よりも政権延命を優先する売国外交になりかねません。それが非常に危険なんです」

 6人の侍が、その安倍氏の首を取るか、それとも7人目の候補である安倍氏自身が、“安倍の次は安倍”を実現するのか――。すでに総裁選の火ぶたは切って落とされている!

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