■トレーニングジムやビリヤード、スーパー銭湯で息抜き

――人気者の逸ノ城関は、なかなか息抜きする時間もないのでは?

逸 そんなことないですよ(笑)。埼玉の部屋にいるときは、トレーニングジムに週3~4回通ったり、近くにある「ラウンドワン」でビリヤードやレースのゲームをして息抜きしています。あとは、スーパー銭湯。体がデカいから、大きなお風呂に入ってリラックスしています。でも、一番リラックスできるのは、料理をしているときかな? 自分は子どもの頃から、家族に料理を作っていたので、得意なんですよ。本場所に向かう前には、ちゃんこ場でラム肉の料理を自分で作ってます。ハイ、“勝負メシ”ですね(笑)。

■2ケタ勝って大関へ

――最後に、久しぶりの関脇で迎える夏場所の目標を聞かせてください。

逸 力士になって5年。良いときも悪いときも、親身になってくれたのは、部屋の親方、おかみさんです。お二人に支えてもらえたから、今があると思っています。ですから、夏場所は2ケタ(10勝)勝って、大関への足掛かりにしたいですね。もちろん、それには大関、横綱に勝たなければなりません。今は、「向かっていくしかない」。こんなふうに、前向きな気持ちになれたのは久しぶりです。

 受け答えは控えめながら「今年中に、大関昇進を狙う。それが恩返しだと思う」と答えてくれた逸ノ城。夏場所、“モンスター”の大暴れに期待したい!

逸ノ城駿(いちのじょう たかし)本名=アルタンホヤグ・イチンノロブ。1993年4月7日、モンゴル・アルハンガイ県出身。遊牧民の家庭に生まれ、ゲルで移動生活を送る。幼少時よりブフ(モンゴル相撲)に親しみ、14歳のときに県大会で優勝。10年に鳥取城北高校に相撲留学し、5つのタイトルを獲得した。卒業後、同校の相撲部のコーチを務めるかたわら、鳥取県体育協会の職員に。13年に実業団横綱になり、湊部屋に入門した。14年初場所で初土俵を踏むと、所要5場所で新入幕。史上2位タイのスピード出世だった。しかも、その秋場所で13勝を挙げ、殊勲賞と敢闘賞を受賞。翌九州場所では昭和以降初となる所要6場所での三役昇進(新関脇)を果たした。今年春場所で16場所ぶりに三役(小結)昇進。得意は右四つ、寄り。湊部屋所属。193センチ、220キロは幕内最重量。

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