■グラビアアイドルとの不倫報じられた阿部慎之助

 だが本来、巨人には入団時から「将来の監督」を約束されていた選手がいる。高橋監督もその一人だったが、現役選手の中で唯一、そうした“監督手形”を切られていたのが阿部慎之助。由伸監督がいよいよとなれば、当然、阿部監督待望論が湧き上がってくるはずだが、それが、まったく聞こえてこないところが不思議だ。「阿部にも弱みがあるんですよ。グラビアアイドルとの不倫スキャンダルを週刊誌に報じられ、その関係が、その後も一定期間継続していたことで、彼に対する球団からの信頼は地に落ちてしまっていますからね」(前同)

 今季の阿部は岡本にポジションを奪われ、選手としてアピールする場を失ってしまった状態。信頼回復の道を閉ざされてしまった形で、なかなか厳しい立場だ。ちなみに、故・星野仙一氏の招聘に失敗して以来、OB以外の人材から監督を選ぼうという声は、巨人軍の内部からはまったく聞こえてこない。

■巨人の元エース、江川卓や桑田真澄は?

 松井、原、中畑、阿部の各氏が監督候補者のリストから外れた今、球団上層部は、いかなる“次の手”を考えているのか。巨人のあるOBは本誌記者に、こう耳打ちする。「今浮上してきているのが、投手出身者だよ。ここ数年、先発・中継ぎ・抑えと、どこかがよければ、どこかが悪いという状況が続く中、その安定化を図りたいという気持ちもあるようだ」

 そして、このOBは、「次期監督の本命は、あの大エースだよ」という。巨人の元エース……といえば、監督候補の筆頭として常に名前が挙がるのが、江川卓氏だろう。「しかし、彼は何度も球団からのコーチ就任要請を拒否していますからね。理由は分かりませんが……」(巨人軍関係者)

 実は、かつて巨人軍GMだった清武英利氏が、11年にナベツネ氏の次のような発言を暴露して、物議を醸したことがある。〈江川をヘッドコーチにしたら集客できる。ヘッドコーチにすれば、次は江川が監督だとファンも期待するだろう。しかし、監督にはしないんだ〉

 ナベツネ氏は公に、この発言を認めてはいないが、これが暴露された後、江川氏は巨人の監督候補のリストから消えてしまったと思われていた。「しかし、実は原さんの退任が決まったとき、緊急の策として“江川監督”を推す声が日本テレビの周辺から上がったといわれています。松井がダメなら江川、ということですね。ところが、江川さんはこの話もまた断ってしまった。それで、現役だった由伸監督に白羽の矢が立ったというんですよ」(スポーツ紙デスク)

 監督就任の打診を受けた由伸氏が「3日以内に返事しろ」という異例の条件を突きつけられた裏に、江川氏に断られて、手持ちの駒がなくなったという巨人側の切羽詰まった事情があったのだという。「だから、もう、さすがにないですよ。少なくとも、この次に江川さんが監督になることはないでしょう」(前出の巨人軍関係者)

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