モリカケ問題とセクハラ問題で揺れに揺れた上半期の国会。ガタツキ始めた安倍政権の裏側をぶった切り!
【座談会参加メンバー】
- ●神澤志万=20年以上永田町で働く現役政策秘書。著書の『国会女子の忖度日記』(徳間書店)が絶賛発売中
- ●赤坂見附=与党系私設秘書
- ●永田町子=野党系公設秘書
■朝日新聞のスクープが大きかったモリカケ問題
――今年の国会は結局、GW連休前まで、モリカケ問題で揺れましたね。秘書の方々も大変でしたか?
神澤志万(以下、神澤) 正直、大変でしたね~。GW前は秘書同士、顔を合わせれば、寝不足自慢でしたからね。
永田町子(以下、永田) 本当に疲れました。モリカケ問題を追及する側の野党の秘書だって、みんな死にそうでした。結局、細かいところは全部、秘書がやるんですから。通常の審議の準備だってあるのに。
赤坂見附(以下、赤坂) スケジュールが全然、見えませんでしたね。予算委員会などでも、朝から待っているのに審議が行われず、「休憩のち流会」みたいな感じが多かった。
神澤「昨日寝ないで作った答弁書を、どうしてくれるのよ~」って(苦笑)。準備した答弁書をそのまま使えればいいんですが、質問の変更があったりして、またイチからやり直し……。
赤坂 それにしても、モリカケは、ここまで問題が大きくなるとは誰も思っていませんでしたよね。
神澤 本当にそう。特に森友学園問題は、当時の財務省も政府も含めて、みんな楽観していました。初期対応を誤りましたよね。
永田 やっぱり朝日新聞のスクープ(※1)が大きかったですね。この記事で流れが一変しましたね。
――何かと風当たりが強かった朝日新聞も、このスクープで再評価されました。
■女性記者には評判の悪い人も…
神澤 今年の前半はメディアの人たちにも注目が集まりましたね。
永田 確かに。テレビ朝日の女性記者が、財務省の福田淳一前事務次官のセクハラ問題を週刊新潮に告発したのは記憶に新しいところ。
神澤 でも、女性ジャーナリストには評判の悪い人も。
赤坂「自称ジャーナリスト」のAさん?
神澤 そうです。特に、あの人をよく言う女性秘書は見たことないですよね。
永田「元議員秘書」って言うわりに誰の秘書か言わないし、誰も彼女のことを知らないよね。
神澤 議員や男性の秘書にはニコニコして、女性秘書は完全無視。今でも永田町で仕事をできているのが信じられないです。
永田 “安倍政権の御用ジャーナリスト”と揶揄されることもある田崎史郎さんも実際会うと腰が低くて感じがいいですし、少し古いですが、鳥越俊太郎さんもとても感じ良かったそうですからね。Aさんくらいですよ、そんな失礼な人は。
■官僚で評判がいいのは…
赤坂 評判で言うと、先ほども話が出ましたが、福田事務次官のセクハラは昔から有名だったみたいですね。
永田 そうみたいですね~。でも、あまりにも優秀すぎて、周囲にそういう問題があるのを知られながら、事務次官という官僚のトップまで上りつめたんですよね。
神澤 頭は本当に良いと思います。国会答弁を聞いてもらえば分かりますよ。難しいのが常の国会答弁を、彼は誰が聞いても分かるように話せるんです。でも、セクハラのモラルが低い永田町でも、さすがに、あのやりとりはアウトですね。
赤坂 官僚でいうと、森友問題で与野党から連日、厳しい追及を受けた太田充理財局長は、女性秘書の間では評判がすごくいいですね。
永田 自民党の和田政宗議員のあまりにもひどい質問(※2)の際の、「それはいくら何でも、それはいくら何でもご容赦ください」発言は話題になりましたね(笑)。
神澤 前任の佐川さんとは大違いの誠実な答弁なんですよ。人柄が出ているといいますか。ちなみに太田さんは職場結婚だそうですが、奥さまは、財務省内でも有名な美人だったそうです。まさに、太田さんの人柄に惚れたんじゃないかと。
赤坂 永田町では珍しくほっこりする話です(笑)。