■ダウンタウンの松本人志がリード

 革命の予感……お笑い界、次のボスは誰になるのか!? お笑い評論家のラリー遠田氏は、こう言う。「“ボス”と言うからには、担当番組に自身のカラーが出ていることが第一。後輩芸人をカラミで生かしながら、自分も生かせて、それが芸として認められていることが必要です。たけしさん、さんまさん、志村さん、とんねるずさんたちの番組は、どれもが、この条件を満たしていました」

 これを基準とすると、現状、一歩も二歩もリードしているのは、ダウンタウン松本人志(54)だろう。「コンビで4本、ピンで3本のレギュラー番組を持っており、現在のテレビ界は、松本人志の一強体制。『ワイドナショー』(フジテレビ系)でのご意見番ぶりも、いかにもボスらしく、大晦日の『ガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)の笑ってはいけないシリーズ、『人志松本のすべらない話』『IPPONグランプリ』(ともにフジテレビ系)といった特番シリーズも堅調で、局の信頼も厚いですね」(放送作家)

■有吉弘行に期待

 内村光良や爆笑問題も、レギュラー番組は多く、ボス候補には違いないが、「内村には松本ほどのカラーがなく、爆笑は後輩芸人を生かす腕がない。それが彼らの個性ですが、ゆえに“ボス”としては物足りない気がします。また今田耕司東野幸治くりぃむしちゅーさまぁ~ず雨上がり決死隊など、その下の世代も、安定感こそあれボスの器かというと、内村や爆笑同様、決め手に欠けるのでは……」(前同)

 そんな中、前出のラリー氏が期待するのは有吉弘行(43)だという。「日テレの深夜枠で不定期に放送している『有吉の壁』が注目です。次世代を担う若手芸人へ、有吉さんがするムチャぶりを楽しむ、純粋なお笑い番組で、『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』のノリを思い出します。(日テレ系)意地悪でドSな有吉さんの持ち味とともに“ボス感”を感じさせてくれる番組ではないでしょうか」

■博多華丸・大吉やサンドウィッチマンも有力

 また、既存の“ボス像”とは違うものの、4月からNHK『あさイチ』の司会を務める博多華丸・大吉サンドウィッチマンなど“好感度芸人”も有力なボス候補だという。「漫才の腕は間違いなく一流。そのうえで、本人たちのキャラに嫌な引っ掛かりや、偉そうな態度がなく、若い世代から年輩層まで老若男女に好かれていて、確実に仕事を増やしています。近年のゴールデン、プライム帯のバラエティ番組は、健康、クイズ、教養系が多く、出演芸人本人たちのカラーより、番組の企画ありき。MCを務めていても“ボス感”が出しづらい中にあって、むしろ彼らのように“ボス感”が薄い芸人が、新時代のボスとなってくるのかもしれません」(前同)

 毒っ気を含む職人気質でありながら、物腰柔らかなこの2組がダウンタウン松本を追う構図か。「とんねるずが後継に指名したといわれるバナナマンおぎやはぎも、タイプは似ていますね」(前出の放送作家)

 幕を開けたお笑い戦国時代。これからのテレビ界を仕切るのはいったい誰だ?

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